ネット広告詐欺インターネット広告市場の拡大が続く中、新手のサイバー犯罪が急増している。年間被害額は1000億円ともいわれる詐欺の手口について解説する(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ネット広告の仕組みを悪用した
新手のサイバー犯罪

 サイバー犯罪といえば、一般的には、実在する有名企業や金融機関を装ってクレジットカードなどの情報を抜き取る「フィッシング」や、大企業の情報システムに侵入して事業活動を妨害し、身代金を要求する「ランサムウェア」などが代表的なものだろう。

 昨年末には、ソニー生命の社員が上司名義のメールアドレスを使って上司になりすまし、海外子会社の銀行口座から170億円もの大金を不正送金してビットコインに換える事件があったが、これなどもサイバー犯罪の一種といえる。警視庁がFBI(米連邦捜査局)との連携で早期に犯人逮捕にこぎつけた。FBIとの折衝には当然、同じく国の機関である警察庁が対応したことだろう。