中国は昨年の今頃、できる限り大量の液化天然ガス(LNG)を米国から輸入していた。ところが、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、中国は米国からのLNG調達をほぼ打ち切り、ロシア産ガスの購入を拡大している。米中関係が冷え込む中でも、エネルギー貿易はつい最近まで、両国がつながりを深める分野の1つだった。背景には、トランプ前政権が中国との貿易交渉で、エネルギーの大量販売を柱に据えていたことがある。中国にとっても、LNG輸入は拡大する中国経済が米国の雇用創出をいかに支えているかを示す証拠になっていた。だが、ロシアのウクライナ侵攻でその流れはほぼ途絶えた。欧州は侵攻への制裁措置として、ロシアからのガス輸入削減を表明。貴重な代替調達先として米国からの輸入を急いでおり、価格が高騰している。