「防衛費倍増」も「護憲」も
具体的な安保論が欠如
ウクライナ戦争で日本でも「安全保障」問題が一気に現実味を増し、参院選でも主要争点の一つだ。
中国や北朝鮮を想定した防衛力、特に弾道ミサイルへの「反撃能力」を強化し改憲へとつなげていこうとする自民党や、「核共有」も含めて核抑止力についてオープンに議論すべきという維新の会などの保守政党が「防衛費倍増」などの議論を引っ張る。
これに対してリベラル政党は、立憲民主党や共産党、社民党などの間ではばらつきがあり、日本の安全保障環境の変化に対して従来の護憲・平和路線からどの程度、踏み出すか苦慮しているように見える。
ただ、自民党など保守の議論も、どのような種類の脅威に対してどういう備えをするのか、戦略的な青写真を描けていない状況だ。
ウクライナ戦争という予想外の事態に各党の安全保障政策の再構築は生煮え状況といえよう。