【オデッサ(ウクライナ)】ロシアがウクライナ侵攻に踏み切った日、黒海艦隊の旗艦である巡洋艦「モスクワ」が沖合に浮かぶ岩礁の小島に接近した。駐留するウクライナ軍に武器を捨てて投降するよう命令し、拒否すれば集中砲撃で血の海になると最後通告を突きつけた。
数秒後、ウクライナ守備隊はこう返答した。「ロシアの軍艦、消えうせろ」。モスクワから砲弾の雨が降り注ぎ、最終的に守備隊は降伏。小島はロシア軍が掌握した。
この守備隊の言葉は今、ウクライナ中の看板や橋、東部の前線に向かう途中の軍検問所に掲げられている。後にウクライナ軍によって撃沈されたモスクワに中指を立ているウクライナ兵を描いた切手は、数百万枚を売り上げるなど、ロシアの侵略行為に対するウクライナの決意を象徴する存在となった。