【社説】石炭が救えるか 独のエネルギー危機Photo:picture alliance/gettyimages

 ドイツでは、エネルギーの緊急事態への対応さえもきちんと組織化されている。それ故、ドイツ政府は23日、今冬の燃料不足を管理するための手続きの3段階のうちの第2段階に入った。その手続きは、秩序立ったものになるように準備されたものだ。政府関係者らはそうなるよう願っている。

 ロベルト・ハーベック経済・気候保護相は、ロシアからの天然ガス供給が減少する中、警戒レベルを引き上げた。ロシア政府は、ウラジーミル・プーチン大統領が命じたウクライナ侵攻後に西側諸国が発動した制裁により、機械部品がカナダで足止めされているために供給が滞っていると主張しているが、他の誰もがそうでないことを知っている。

 ドイツが脆弱(ぜいじゃく)な理由は、同国が長年にわたって続けてきたエネルギー政策にある。この政策により、同国経済はウクライナで戦争が始まる前の時点で、輸入する天然ガスの55%、石油の34%、石炭の26%をロシアに依存する状態となっていた。これら3つの燃料がドイツのエネルギー消費の75%以上を占める。このうち他で代替することが群を抜いて最も困難なのは、ロシア産天然ガスだ。