無理をせず、最低限の「仮面」でも、
コミュニケーションは円滑になっていく
だから夜にもしケンカをしても、朝になったら笑顔で「おはよう」と言い、「行ってらっしゃい」と笑顔で送り出す。そこだけでも「仮面」をかぶって欲しいと思います。
たったそれだけで、夫婦の関係はそれなりに維持できます。無理をせず、最低限の「仮面」でも、コミュニケーションは円滑になっていくのです。
たとえば、朝早くて顔を合わせずに出かけるようなことがあっても、「行ってくるね」と一言メモを書いておくことを習慣にする。それは書いた本人の自己満足に過ぎないとしても、気分よく仕事をすることができます。
これは幸せになるために、本当に簡単にできる処方せんの一つです。会社でも同じようにできるだけ工夫をしてみて、あなたが笑顔でいられる場を、少しでも増やしておくに越したことはありません。
ただし、ここに書いたことは家族、夫婦が双方でその関係を守ろうとしている場合に限ります。
どれだけ相手に歩み寄ろうとしても、あなたを無視したり、バカにしたり、蔑ろにしたりする相手なら、その関係そのものを見直したほうがいいでしょう。特に血縁という切れないものに関してはそうです。
【POINT】
最低限の「仮面」でも、コミュニケーションは円滑になっていく。
元内科の精神科専門医
中高生時代イジメにあうが親や学校からの理解はなく、行く場所の確保を模索するうちにスクールカウンセラーの存在を知り、カウンセラーの道を志し文系に進学する。しかし「カウンセラーで食っていけるのはごく一部」という現実を知り、一念発起し、医師を目指し理転後、都内某私立大学医学部に入学。奨学金を得ながら、勉学とバイトにいそしみやっとのことで卒業。医師国家試験に合格。当初、内科医を専攻したが、医師研修中に父親が亡くなる喪失体験もあり、さまざまなことに対して自信を失う。医師を続けることを諦めかけるが、先輩の精神科主治医と出会うことで、精神科医として「第二の医師人生」をスタート。精神科単科病院にてさまざまな分野の精神科領域の治療に従事。アルコール依存症などの依存症患者への治療を通じて「人間の欲望」について示唆を得る。現在は、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、パーソナリティ障害などの患者が多い急性期精神科病棟の勤務医。「よりわかりやすく、誤解のない精神科医療」の啓発を目標に、医療従事者、患者、企業対象の講演等を行う。個人クリニック開業に向け奮闘中。うつ病を経験し、ADHDの医師としてTwitter(@DrYumekuiBaku)でも人気急上昇中。Twitterフォロワー6.5万人。『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』が初の著書。