うまくコミュニケーションできないことからくる孤独感、低い自己肯定感、SNSによる誹謗中傷やバッシングなど、今、生きづらさをかかえる人が増えています。そんな中にあって、毎日を心安らかに、快適に過ごしていくためには、どうすればいいのでしょうか? 発達障害(ADHD)、うつ病など、生きづらさを抱えながらも精神科医として活躍するバク先生は、ツイッターでのつぶやきが共感・絶賛され、今、人気急上昇中。そんなバク先生の初の著書『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす 生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』(ダイヤモンド社)の中には、生きづらさを解消するための実践的なヒントが詰め込まれています。本連載では、同書の中から心がスッと軽くなるアドバイスをお届けします。

身近な人と幸せになるために、誰でも簡単にできるおすすめの習慣Photo: Adobe Stock

本当にあった様々な家族の別れ

 なぜ、私がここまで夫婦に対して言うかという話をさせてください。

 あなたは家族が朝に出かけて、無事帰ってくる保証が全くないことを自覚していますか? ほとんどの人は、そんな覚悟はしていないと思います。

 私は臨床の現場で様々な家族の別れを見てきました。

・些細な親子ゲンカをしたその夜に、親御さんがそのまま玄関で脳内出血を起こして倒れ、家族の誰もが気づかずに亡くなったことをずっと後悔しているお子さん
・朝にゴミを捨てる捨てないで一方的にご主人をなじり、その後、交通事故でご主人が他界された奥さん
・会社の旅行で海外に行っている間に、奥さんがお風呂で心臓発作を起こして亡くなっていたご主人

 これらのことをずっと、後悔しているという人々の話をいくつも聞いてきました。

 確実にこの世界のどこかにこれに似たような思いをし、「どうしてあの日、少しだけでも優しくできなかったのか」と、後悔している人がおられることは現実なのだということを知ってください。