JTB国内旅行受注「コロナ前超えの週も」商品企画部長が明かす2強は沖縄と…?Photo:123RF

今年の夏は、旅行の計画を立てる人も多いだろう。そこで旅行会社最大手のJTBに「国内旅行の売れ筋」を聞いてみた。(ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)

30代・40代ファミリーが活発
ツートップは沖縄と…?

――行動制限が解かれて以降、国内旅行は復活しているのでしょうか。予約状況は?

 5月以降、2019年度比で90%ぐらいに戻っていました。そして、「県民割」などの旅行支援策をテレビ番組でも取り上げるようになった影響でしょうか、6月中旬からは19年度比でほぼ100%に戻ってきています。週間受注で見ると、100%を超えた週もあります。

――県民割の影響が、100%にまで押し上げている?

 そうですね。北海道や九州など県民割をいち早く始めたところから盛り上がりが顕著でした。逆に、(支援策のない)東京エリアは厳しかった。

 今も、東京エリアに来る旅行に関しては厳しい状況ですが、東京エリアから外に出かける旅行は増えていて、それも100%に押し上げる要因のひとつです。やはり、そこはボリュームゾーンなので。

――どんなツアーが売れ筋ですか。方面や内容の特徴は?

 トップ人気は沖縄です。われわれの想定以上に、高額のホテルが売れています。沖縄における特徴としては、お客さまの75%以上が30代・40代のファミリーです。この層にJTBを使っていただくリピート率が向上しているのに加えて、結婚式やハネムーンの利用も多いことから、30代・40代の新規率も上がっているのはうれしい限り。コロナ禍前は見られなかった傾向です。

 海外に行きたくても行けないお客さまが沖縄を選んでいると、店頭スタッフからもよく聞きます。興味深いのは、沖縄のホテルが近年すごく多様化して、カップル向き、ファミリー向き、若い人が好むところと傾向が違ってきている点です。

――沖縄は新しいホテル、特に外資系ホテルが増えていますね。

 その辺りはやはり人気です。ただ、古いホテルでも、例えば(ワイヤーを滑車で滑り降りる)ジップラインを新設してアクティビティに力を入れるなど、何らかの目新しさを打ち出しています。ファミリーには恩納村近辺の大型リゾートが王道。中高年層や、ハネムーナーには静かなホテルが人気です。

――具体的なツアー代金は、どれくらいになりますか。

 沖縄は連泊する方が多く、1人当たり10万円を超える商品が活発に動いています。恩納村に次いで、石垣島が多いことも、販売単価を押し上げていますね。

 石垣島の高級リゾートは若干年齢層が高くなります。密を避け、ゆっくり落ち着いて過ごせる雰囲気で、まさに海外リゾートの代わりになるでしょう。うちのツアーでも「カフェでドリンク飲み放題」が付いているプランがよく売れていたりします。

――なるほど。2番目に人気なのは、どこでしょうか。