「世の中をあっと言わせる企画を作りたい」「自分の夢を仕事で実現させたい」「ユーザーの気持ちがわからない」「企画書が通らない」「プロジェクトを成功させる方法が知りたい」など商品開発や新規事業を生み出す上でのあらゆる悩みを解決!
本連載の著者は「千に三つ」や「一生涯一ヒット」と言われる食品(飲料)業界において「氷結」「スプリングバレーブルワリー」「淡麗」「キリンフリー」など数々のヒット商品を生み出してきた和田徹氏。実は入社から12年間、ヒット商品ゼロだったという著者。なぜ、失敗だらけだった人が、ヒット商品を量産できるようになったのか? 売れ続ける商品づくりの全技法を明かしたのが『商品はつくるな 市場をつくれ』(3月15日刊行)という書籍です。刊行を記念し、本書の一部を特別に公開します。
「越境」のススメ
ずっと同じやり方で情報集めをしていると、似た情報ばかり集まります。そうした偏りやマンネリをなくすには「越境」が有効です。日常で気軽に越境できるのは「居場所」「つきあう人」「読む本」の3つです。
「居場所を変える」
旅に出る。それも、まだ行ったことがないところへ。あるいは、住む場所を変えてみる。もっと手軽な方法でも十分です。いつも行くコーヒーショップを変えてみる、通り過ぎていた店に入ってみる、通っているジムを変えてみる、など。
知らない街を散歩したり、脇道に入って寄り道したり、途中下車したり。いつもと違う場所は発見だらけ。居心地のいい生活圏内から一歩外へ抜け出してみましょう。
異なった視野、普段と違う気分によって、新しい気づきや新鮮なインプットが得られます。
「つきあう人を変える」
新しい仲間や価値観、知らなかった世界と出会いましょう。
習い事を始める、コミュニティや勉強会、ボランティア活動に参加するなど。副(複)業で未知の業界に飛び込む、クラウドファンディングのプロジェクトに参加してみるのも良いでしょう。
自分のキャラを変えて、新たな世界に飛び込むチャレンジも有効です。慎重派なら、ノリのいいキャラになりきってみるのです。場の雰囲気や相手の発言、反応が変わるだけでなく、自分の違う一面を発見できて楽しいものです。
つきあう人たちを変えると、インプット源が増えるだけでなく、ビジネスチャンスや社会課題の発見につながる、相乗効果や化学反応も期待できます。うまくいけば新しい友達や仲間もできて一石四鳥です。勇気を出す甲斐はありますよ。
「読む本を変える」
書店でブラブラと本を探してみる。あまり手にとらない本や、ランダムに選んだ本、買おうと思った本の隣の本を読む。最近では、独自の棚づくりを行う個性的な店も増えています。
ネタ探し、冷やかし半分、観光地気分でフラッと覗いてみるのも面白いです。
図書館なら、普段行かないゾーンに5分間だけいてみる、家族の読んでいる本を借りる、友人に「最近なにか面白い本読んだ?」と聞いてみる、昔読んだ古典を読み直すなど。
もちろんレビューや書評、ランキングも構いませんが、ちょっと違うインプットの広がりを求めるならば、さまざまな入り口を試してみましょう!
これを映画や音楽、絵画、演劇など、いろんなジャンルでもやってみてください。
(本原稿は、和田徹著『商品はつくるな 市場をつくれ』を編集・抜粋したものです)