別荘のイメージ写真はイメージです Photo:PIXTA

憧れの象徴だった別荘ライフは、いまや「庶民には手の届かない話」「セレブの証し」ではなくなっている。別荘の投げ売りやら0円別荘やら、果てには諸費用を負担するので別荘を引き取ってくれというケースまでもが全国で頻発しているのだ。うまい話には当然ウラがあるわけだが、それでもなお「自分が別荘オーナーになる」というのは夢の広がる話ではないだろうか。0円とはいっても、登記費用や贈与税をはじめとする税金などが発生するため実際に0円で手に入るわけではない。0円別荘の取得を考えるときに気を付けるべき点をふまえた上で、取得には何にいくらかかるのか、維持していくために毎年どのような費用がかかるのかをシミュレーションする。(アステル 岩瀬めぐみ)

「0円でも買ってほしい」
別荘地の格安物件が増えている

 別荘オーナー計画を進めるに当たってまず気になるのが、0円物件が年にどれくらい世に出ているのか、いわゆる別荘地エリアにある別荘も0円物件や格安物件として出てくることがあるのかという点だ。

「みんなの0円物件®」というマッチング支援サイトを運営している0円都市開発合同会社の中村領代表は「直近1年間で扱った物件は約400件です。この7月でサービス開始から丸3年になりますが、別荘地として知られる伊豆、伊東、熱海、軽井沢、那須、苗場など(別荘地エリア)の物件も複数取り扱い実績があります」と現状を教えてくれた。

 また、0円物件や難あり物件を多く手がけてきた株式会社リライトの田中裕治代表も「うちで取り扱っている0円物件や格安物件は、月3~5件、年間40~50件です。現在、岡山県倉敷市の元銭湯が1円、茨城県鹿嶋市の山林5万円などの契約予定があります」と、これまた0円や格安でいいから物件を譲りたいという需要が一定数あることを明かす。

 その上で、田中代表から「格安物件で多いのはむしろ別荘地」だという耳寄りな情報をもらった。別荘地は管理費がかかったり、規約などで使用方法が規制されていたりすることも少なくない。そのため、売買ではなく0円での贈与でもいいので引き取ってほしいというケースも出てくるようだ。