いま、注目を集める研究会がある。わずか2年で約1000人規模へ拡大し、東大新入生の20人に1人が所属する超人気研究会に成長した、「東大金融研究会」だ。創設者は外資系ヘッジファンドに20年在籍し、超一流の投資家として活躍してきた「金融界の鬼才」伊藤潤一氏。地上波をはじめメディアでも注目を集める人物だ。東大金融研究会ではお金の不安から自由になり、真の安定を得るために「自分の頭で考える」ことを重視している。世の中に溢れる情報や他人の声に振り回されず何が正しいのかを自分で判断し、物事を本質的に理解し、論理的に思考を展開することで、自立した幸せな人生を歩むことができるからだ。本連載では、東大金融研究会の教えを1冊に凝縮した初の書籍『東大金融研究会のお金超講義』から抜粋。頭のいい人だけが知っている「お金の教養と人生戦略」を紹介する。

「何か質問ありますか?」で黙ってしまう人と、サッと手を上げられる人の決定的な差Photo: Adobe Stock

自分の質問が笑われたら、おかしいのは笑う人の方

質疑応答の時間は一般的な講演会だとせいぜい10~20分ほどですが、東大金融研究会では60~90分もの長時間にわたって学生とのやりとりが続きます。

講演会が終了したあとも、経営者と学生たちの会話は終わりません。経営者の前に列をなし、学生が一人ひとり聞きたいことを質問しにいくのがいつもの光景です。

私は、講演会の質疑応答や講演終了後の時間を大切にしています。それは、「本当に聞きたいこと」を経営者にぶつける経験は、自分が「やりたいこと」に対してもぶれずにアクションをとるトレーニングになると思っているからです。

講演会には大学1年生から修士2年生までのメンバーはもちろん、若手社会人が出席することもあります。幅広い年代の参加者がいる中で、入ったばかりの1年生が質問をするのは度胸がいることだと思います。ついこの間まで高校生だった人と若手社会人では、明らかに質問のクオリティが異なるのも確かです。

それでも私は、メンバーに「自分の質問を笑う人がいたら、おかしいのは笑う人のほうだ。格好つけた質問ではなく、本気で自分が心の底から聞きたいことを質問しろ」と言い続けています。

最初はなかなか怖気づいて質問できない人もいますが、繰り返しこういった講演会に参加するうちに誰もが自分の聞きたいことをみんなの前で経営者にぶつけられるようになっていきます。

創業経営者の講演会は、彼らの話から経営について学ぶだけでなく、「やりたいことをやり切る」姿勢を身につける機会にもなっていると感じます。

(本原稿は、伊藤潤一著『東大金融研究会のお金超講義 超一流の投資のプロが東大生に教えている「お金の教養と人生戦略」』から一部抜粋・改変したものです)