女性がメイクやエステを楽しむように、男性の間にも“メンズ美容”が定着してきた。その中でもコロナ禍以降、徐々に人気が高まってきているのが、ビューラーで上げたようなまつげのカールがキープされる「まつげパーマ」だ。実は男性こそ、まつげを上げる利点が多いという。(清談社 鶉野珠子)
マスク生活以降は
利用者数が25倍に
いまや一般にもすっかり定着したメンズ美容。スキンケアに励んで肌悩みをカバーしたり、眉毛サロンで眉毛を整えたり、ヒゲを筆頭に体の気になる部位の脱毛をしたりと、バリエーションに富んできている。中でも注目を集めているのが「まつげパーマ」だ。
表参道でメンズ専門の、眉毛・ネイル・アイラッシュのケアやヒゲ脱毛などを行うサロン「D×D」を運営するピアンシスのオーナー・小林祐子氏は、「コロナ禍以降、まつげパーマを受けられるお客様の人数が増加しました」と話す。
「昨年1年間は、年間で500人近いお客様にまつげパーマを受けていただきました。コロナ前は1年間で二十数人くらいだったので、約25倍にも跳ね上がっています。ちなみに、同期間で集計した眉スタイリングを希望されるお客さまの人数は4000人ほどでした。あくまで肌感覚なのですが、マスク生活が長くなり“目元”で印象が決まるようになってきて、『眉毛やまつげを美しくしたい』と思った人が増えたため、客数が増えたのではないでしょうか」(小林氏、以下同)
眉毛のケアというと、自宅でセルフケアをしたことがある人もいれば、理髪店で整えてもらった経験がある人も多いだろう。眉カットはメンズ美容のなかでも、比較的ハードルが低い部類といえる。実際、ここ数年で男性専門の眉毛サロンは急増中だ。一方でまつげパーマは、やはり「女性が行う美容法」というイメージが根強いのか、まだまだ男性が施術を受けられる店が少ないという。
「とはいえ、男性の美容は、眉毛やまつげの手入れをはじめ、ムダ毛を脱毛したり、毛が薄くなってきている部分に植毛したりと、“毛”に関するものが多いです。だから、今はまだマイナーでも、ゆくゆくはまつげパーマもはやっていくのではないでしょうか」
現在、小林氏のサロンで用意しているまつげのメニューは2種類、「まつげパーマ」と「まつげエクステだ」。今は7割近い客がパーマを希望するという。
「まつげエクステは、まつげに長さが欲しいお客様が希望されます。意外に40~50代くらいのお客様が多いです。まつげパーマは、20~60代と幅広い年齢層のお客様が受けに来られます」