上海の倉庫で2カ月間にわたり、有名デザイナーによる香水やコロンが放置されていた。新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(封鎖措置)で立ち入り禁止となったためだ。その額は何百万ドルにも及んだ。米国に拠点を置く香水メーカー、インターパルファムの創業者で会長を務めるジャン・マダル氏にとって、この売り上げの喪失は中国と決別するという決断に確証をもたらすものだ。「中国の原材料ははるかに安いが、手に入れられなければどんな意味があるのか。われわれのような消費者向け製品を製造・販売する会社にとって、供給の安定は欠かせない」。マダル氏はこう話した。インターパルファムは、中国などから米国に引き揚げている企業の一つだ。これまでは、こうした国々の安価な労働力や工場生産が容易に開始できる利便さが、海上輸送費よりもはるかに勝っていた。
中国にうんざりの米企業、国内で供給網構築
米国内への生産移転には限界と障害も
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