PORSCHEPORSCHE

 なんと素晴らしいことでしょう、またまたポルシェから新型の「911」が登場します。「またかよ、ポルシェもよくやるなぁ」と、あきれる人もいるかもしれません。ですが、出せば出すだけ売れるのです。それだけ熱烈な顧客を有している…それがポルシェなのです。どれだけ多くのバリエーションを投入しても、その供給を十分に満たす需要があるのですから、「凄まじきポルシェ人気」といったところでしょう。

「356 アメリカ・ロードスター」へのオマージュ

 今回発表された最新作は、2021年6月より予約受注が開始された新型「911シリーズのGTSモデル5車種の中から「911カレラGTS カブリオレ」にフォーカスし、アメリカ・エディションとして進化させた「911 Carrera GTS Cabriolet America(911カレラGTS カブリオレ アメリカ)」です。

 このモデルを解説するには、少々アメリカ=北米におけるポルシェの歴史をひも解く必要があるでしょう。それではカレンダーを戻しましょう。ポルシェが北米市場での販売を開始したのは、デザイン事務所として設立されたのちにシュトゥットガルトで製造・販売がスタートして間もない1950年のこと。それ以降、北米はポルシェを支える重要な市場へと、どんどん存在感を増すようになります。