フライトの欠航や空港の旅客制限、全般的なコストの高騰。投資家を航空銘柄に引き戻すには、悪材料ばかりだ。だが、景気後退によって需要が低迷することに比べれば、まだましな問題だ。デルタ航空(本社アトランタ)の株価は13日朝に8%安となり、米国の同業他社の足を引っ張った。同社は主要航空会社の中で最初に第2四半期決算を発表。調整後の1株当たり利益は1.44ドル(約198円)と、市場予想中央値(1.73ドル)を大幅に下回った。売上高は予想を11%上回ったにもかかわらずだ。消費者は飛行機の利用を熱望している様子だ。彼らは、物価の高止まりや、特に燃料費の高騰による航空運賃の値上がりには目をつぶるつもりのようである。だが、ダウ・ジョーンズ米航空株指数は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の約半分の水準にとどまっている。航空株は、今度こそついに回復かという度に、新たな問題が発生する。新型コロナ変異株の出現に続き、今回の危機は航空会社や空港の人手不足により欠航や遅延が相次いでいるという問題だ。欧州ではさらに事態が深刻で、ロンドンのヒースロー空港やガトウィック空港、アムステルダムのスキポール空港では、旅客数の制限を余儀なくされている。
人手不足で空港混乱、航空会社には良質な問題
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