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副業「ハンドメイド」を成功させる3つの秘策Photo: Adobe Stock

「ハンドメイド」は最も安全な物販ビジネス

 副業で「物販ビジネス」を選ぶ場合、最も注意しなければならないのは「在庫」「売掛金」です。「在庫が膨らむ」=「売れていない」なので、「損失」を意味します。「売掛金が膨らむ」=「代金を回収できていない」も「損失」を意味します。ですから銀行は、小売業者や卸売業者に運転資金を融資するとき、在庫の増減と売掛金の回収状況を常に気にかけます。

 在庫は少なければ少ないほど安全です。そう考えると、「ハンドメイド」は最も安全な物販ビジネスの1つといえるでしょう。なぜなら、必要なぶんだけ作ればよく、在庫を最小限に抑えられるからです。

 そして、世界で一番「ハンドメイド」に向いている民族は、私たち日本人です。人類が最初に発明した道具は石を磨いて作る磨製石器ですが、古代の日本人が世界に先駆けて3万8000年前に作りました(長野県の香坂山遺跡)。世界最古の土器も縄文日本人が1万6500年前に作った縄文土器です(青森県の大平山元Ⅰ遺跡)。世界最古の漆器も縄文日本人が1万2600年前に作りました(福井県の鳥浜貝塚)。磨製石器は現代の包丁で、土器はお鍋、漆器はお椀ですから、人間らしい食生活は日本から始まったのかもしれません。

 このように日本人は、太古の昔からモノづくりが得意な民族でした。発想力が豊かで手先が器用。現代人もそのDNAを受け継いでいます。戦前も戦後も、「MADE IN JAPAN」が世界をせっけんしました。ご先祖様が残してくれた世界No.1のお家芸なのですから、資産形成に活かさない手はありません。

 ハンドメイドには、アクセサリーやスマホカバー、バッグや洋服、ガンダムや戦艦大和のプラモデルなど、あらゆるバリエーションがあります。手作りが趣味であれば、その人にとって作ること自体は簡単でしょう。メルカリやAmazonのほか、「minne(ミンネ)」「Creema(クリーマ)」などハンドメイドマーケットのマッチングサイトも充実しているので、販路に困ることはありません。

 そのため、物販ビジネスの初級編として、趣味のハンドメイドを活かす人が大勢います。トートバッグやオルゴナイト、流木製のピアスフック、ポーチやバッグ、人形用やペット用の洋服など、作っているモノも様々です。

 ハンドメイドを楽しむ一方で、安全に売上を伸ばす3つの秘策があります。

 1つ目は、商品にブランド名をつけてロゴを作ること。「Momo no Hana」や「Bel cielo」のように、ハンドメイド商品の世界観にマッチしたオシャレなロゴを付けて、独自の世界観を演出しています。お客様との間で世界観を共有できれば、リピーター化するお客様が増えます。熱烈なファンになってもらえれば、オーダーメイドを依頼されることも。オーダーメイドであれば、作り置きする必要がなく、在庫リスクも発生しません。

 2つ目は、ハンドメイド以外の商品を一緒に販売することです。具体的には、海外からネット経由で商品を安価に仕入れて、Amazonなどで転売する「せどり」を一緒に行います。その際、せどり商品にもハンドメイド商品と同じブランドロゴをつけて世界観を統一。そうすることでオリジナルブランドのイメージがもっと明確に視覚化されて、商品同士の相乗効果が高まるからです。一方で、せどりは在庫が発生するので、余剰在庫が発生しないよう管理し、在庫切れによる販売機会の逸失を防ぐ工夫も必要でしょう。

 3つ目は、販売ルートを工夫すること。扱っている商品の特徴や数量に応じて、メルカリやAmazon、BASE(ベイス)などのネットショップを使い分けます。また、ネット販売だけではなく、リアル店舗での委託販売を併用している人もいます。委託販売であれば手間暇はかからないので、コストも最小限に抑えられます。

 その他、ハンドメイドの延長線上で、商品の製作をメーカーに委託する人もいます。オシャレな木製蚊取り線香ホルダーを製造委託する人。オリジナルデザインを考えて紙ストローを製造委託する人。セパレートタイプの真空マグボトルを製造委託する人など、さまざまです。

 こうした工夫を凝らすことで、物販ビジネスを始めてから1、2年で、副業年収500万円超を達成する人もいます。

 そんな実例から、「ハンドメイドを起点に据えれば、物販ビジネスの成長性が高まる」という法則に気づきます。ハンドメイドを通じてオリジナルの世界観を作り上げれば、その世界観と相性のよい既製品を、オリジナルブランドに組み込むことができるからです。そのうえで、既製品をアレンジして製造委託すれば、品揃えはいくらでも増やせます。たとえるなら、BEAMSなどのセレクトショップのようなイメージです。

 ハンドメイドは趣味ですから、一般的な副業と違って、気軽に始められます。趣味なので心の底から楽しめるし、飽きることもありません。趣味を楽しみながら、スキルをブラッシュアップできて、お客様からは喜ばれて、お金ももらえるのです。

 私も以前、パソコン自作というハンドメイドが趣味だったのですが、それを販売してみたら予想外に喜ばれて、バージョンアップのたびにリピーターになってもらえました。

 販売相手は、日本国内にいる日本人だけではありません。アメリカの「Etsy」や「eBay」、シンガポールの「Shopee」など、海外サイトでハンドメイド商品を販売することも可能です。

 手先が器用な日本人が作ったプラモデルは、海外でも高く売れるそうです。外国製は作りが雑な場合が多いですが、日本人が作った品物は高品質なので、競争力が高いのです。ですから、趣味のハンドメイドでも、マーケットが全世界に広がれば、日本国内よりも高く売れるのでしょう。急激な円安が進んでいる今であれば、外国人は日本製品を安いと感じるので、海外に販路を広げる絶好のチャンスかもしれません。趣味の延長線上で、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

*本記事は、『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』著者による書き下ろしです。