「このまま」今の仕事を続けても大丈夫なのか? あるいは「副業」をしたほうがいいのか? それとも「起業」か、「転職」をすべきなのか? このように感じたとしたら、それは皆さんの考えが正しい。なぜなら、今感じているお金に対する不安は、現実のものとして近づいているからです。無収入となる65歳から70歳、もしくは75歳までの空白期間を、自己責任で穴埋めしなければならなくなる未来が、相次ぐ法改正でほぼ確定しました。
そんな人生最大の危機がいずれ訪れますが、解決策が1つだけあります。それはいますぐ、「稼ぎ口」を2つにすること。稼ぎ口を2つにすれば、年収が増えて、節税もでき、お金が貯まるからです。新刊『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』では、余すことなく珠玉のメソッドを公開しています。受講者は6000人に及び、その9割が成功。さぁ、新しい働き方を手に入れましょう!

サラリーマンでもできる「黒字リストラ」に負けない自衛策Photo: Adobe Stock

ムダに税金を支払わなくていい

 コロナ禍でリストラの嵐が吹き荒れましたが、その半分近くは「黒字リストラ」だったそうです(「AERA」2022年6月20日号)。リストラに踏み切ったのは中小企業だけではありません。JT、パナソニック、LIXIL、オリンパス、ホンダのような大企業まで。

 黒字なのに、なぜリストラに踏み切るのか?

 企業側の立場で考えると、よくわかります。答えは、雇用に重大な影響を及ぼすほどのルール変更が行われたから。ルール変更とは「法改正」です。

 コロナ禍で混乱している2020年と2021年に2つの重要法案が可決されました。年金制度改正法(以後、「年金75歳受取可能法」)と改正高年齢者雇用安定法(以後、「70歳就業法」)です。この2つの法改正の合わせ技で、年金受取年齢の70歳への引き上げが既成事実となりました。その上、75歳まで引き上げる伏線も敷かれました。サラリーマンの老後問題が民間に丸投げされたのです。

 テレビや新聞がコロナ関係のニュースを報じている裏で、「黒字リストラ」に踏み切った大手企業があったのです。リストラの対象年齢を40代や50代に限定していることからも、そのことがよくわかります。事前にリストラすれば、就業支援の対象となるシニアを大幅に減らせるからです。

 そして、2020年7月に行われた閣議決定です。政府は、「メンバーシップ型雇用」という日本型雇用から卒業し、グローバルスタンダードの「ジョブ型雇用」に舵を切る旨を、正式に決定しました(『経済財政運営と改革の基本方針2020』)。もちろん、経団連などの経営者側の要望に沿った決定です。

 これにより、企業の国際競争力が高まる反面、ミドル世代とシニア世代にとっては厳しい時代が到来します。なぜなら、「同一労働同一賃金」のスローガンのもと、ミドルとシニアの給料が下がるからです。

 従来の「メンバーシップ型雇用」のもとでは、若手の給料を低く抑えて、ミドルとシニアに傾斜配分してきました。しかし、「ジョブ型雇用」のもとでは、今を正当に評価して給料を支払って、給料の後払いをやめる流れになります。ユニクロやNECでは、すでに新卒に手厚い給料を支給し始めています。

 この決定により、ミドルとシニアに移転されていた給料が若手社員に戻される流れが、今後もっと加速します。ミドルやシニアの給料は減るでしょう。加えて、企業は、「年金75歳受取可能法」と「70歳就業法」に対応するために、同時に「黒字リストラ」も加速させます。

 この流れ自体はすでに確定しています。雇われている限り、「昇給しないリスク」「リストラされるリスク」と常に背中合わせだということ。災害と同じで、突然わが身に降りかかりってきます。そのときに慌てて転職先を探しても、好条件で雇ってくれる先なんて見つかりません。雇われる働き方をする以上、永遠にこの2つのリスクから逃げることはできないのです。

 そんな時代だからこそ、できるだけ早く2つ目の稼ぎ口を見つけることが大切です。本書では、「稼ぎ口二刀流」と言っています。本業以外に稼ぎ口があれば、たとえ昇給できなくても、「不足前(たらずまえ)を補える」からです。リストラされても、2つ目の稼ぎ口に専念すれば、何とか食いつなげます。

 日本は法治国家なので、法律が変われば世の中も変わります。だから、経済合理性を優先する企業が、すぐに反応しました。感の鋭いサラリーマンは、すでに「稼ぎ口二刀流」を始めています。「稼ぎ口二刀流」さえあれば、年収が増えて、節税もでき、お金が貯まるからです。「稼げるライフワーク」が収入源になるので、「やりたいこと」で独立・起業することだって夢ではありません。老後の不安からも解放されます。

「禍を転じて福と為す」ということわざがあります。法改正も閣議決定も、ミドルとシニアにとっては禍かも知れません。でも、禍をきっかけに「稼げるライフワーク」を見つけた人は、本業一筋だけでは見えなかった自分本来の人生を見つけられるのです。「禍を転じて福と為す」という行動を取るか否かで、一度限りの人生の行方が決まるということ。最終的には、自分次第なのかもしれません。

*本記事は、『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』著者による書き下ろしです。