22年度の国内貨物輸送量「前年比0.6%減」の予測、コロナ前水準に戻れない理由Photo:PIXTA
*本記事はカーゴニュースからの転載です。

22年度の国内貨物輸送量は
全体では0.6%減と再びマイナスに反転

 NX総合研究所は7月8日、「2022年度の経済と貨物輸送の見通し(改訂)」を発表した。22年度の世界経済成長率は3.6%プラスと国際通貨基金(IMF)の見通しに準拠。その上で22年度の日本経済について、実質経済成長率は2.0%増と21年度の2.2%増よりも若干の減速を予測した。実質GDPはコロナ前の19年度の水準を若干下回る見込み。

 22年度の貨物輸送量については、消費関連貨物では4.9%のプラスが予想されるものの、生産関連は0.5%減、建設関連は3.2%減と落ち込み、全体では0.6%減と再びマイナスとなると見込んだ。

 オンラインによる説明会に出席した佐藤信洋シニアコンサルタントは、21年度の貨物輸送量は、上期が4.6%増と堅調に推移、下期は生産関連貨物の不振などを受けて1.4%増と増加幅は縮小し、通年では2.9%増と5年ぶりにプラスへ転換したと説明。

 一方、22年度について、「消費関連は4.9%増と前年より0.7ポイント上昇するものの、鉱工業生産の足踏みなどを受け、生産関連は0.5%減とマイナスに反転。建設関連は大規模土木工事の執行が期待できない中で3.2%減」と予測。