ヤマトのEAZY、EC市場は順調に拡大する見込みヤマトのEAZY、EC市場は順調に拡大する見込み(写真提供:カーゴニュース)

2021年度の宅配便大手3社(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便)の合計取扱個数は、前年度比約1億個増の46億3200万個となった。3社のうちヤマト、佐川の2社は取扱個数を伸ばした一方、日本郵便は大幅な減少となった。“巣篭り消費”で取り扱いを大幅に増やした20年度から一転して、21年度は伸び率が鈍化。関係者からは「EC市場の拡大は続いており、増加分はEC大手の自社配送など“隠れ宅配”に流れているのではないか」との指摘が出ている。(カーゴニュース)

*本記事はカーゴニュースからの転載です。

ヤマト、佐川は堅調
日本郵便がひとり負け

 ヤマト運輸の21年度の宅配便は22億7500万個となり、前年から約1億7900万個、率にして8.5%増と順調に拡大した。また、佐川急便の飛脚宅配便は13億6900万個となり、前年比2200万個、1.6%増と堅調な伸びを維持した。ヤマトと佐川の2社で、前年度から約2億個の増加となった。

 一方、日本郵便のゆうパックは苦戦。21年度の実績は9億8800万個となり、前年比1億200万個減、率にして9.4%の減少となった。とくにポスト投函型の小型サービスであるゆうパケットの落ち込みが大きかった。なお、ゆうパックが前年割れになるのは12年度以来9年ぶりで、07年の民営化以来、最大の下げ幅となった。

 これにより、21年度実績における3社合計の純増分は9900万個にとどまった。20年度における3社の19年度比の純増個数は5億300万個であり、純増分が5億個から1億個に一気に減ったことになる。