世界に一つしかない家電を
5年以内に開発したい

 現在、同社は大手家電メーカーの定年退職者・中途退職者を従業員として迎え、技術に磨きをかけている。「日本の技術者は知識量が半端じゃない」と山社長も驚きと期待を寄せる。創業から間もないライソンだが、見据えるマーケットは大きい。

「5年以内に、海外の展示会に出せるような、世界に一つしかない家電をつくりたいですね。コーヒー豆の焙煎機『ホームロースター』を発売したときは、海外の人からも売ってくれっていう反響がすごくあって、これをもう少し改良して勝負するのも手かなと。コーヒーって世界中で飲まれているので、家庭で焙煎できて、低価格で、使いやすいとなると、欲しい人は一定数いると思うんです」

スター」自宅にいながら、いつでも煎りたてのコーヒーを楽しめるコーヒーの生豆を手軽に焙煎できる「ホームロースター」自宅にいながら、いつでも煎りたてのコーヒーを楽しめる(画像提供:ライソン)

 日本製家電の勢いが低迷している今、なぜ海外なのか。そう聞くと山社長は「その方が楽しくないですか?」と笑う。

「家電の海外市場に挑戦するって、なんか、かっこいいですよね。やっぱりいろんな国の人に自分たちの家電を使って楽しんでもらえたらうれしいです」

 ありきたりな日常を、ワクワクする非日常に変えるきっかけを与えてくれるライソンの家電。ニッチな一点突破家電が、世界を驚かせる日はそう遠くなさそうだ。