末吉陽子
「焼きペヤングメーカー」「せんべろメーカー」「超蜜やきいもトースター」。ユニークなネーミングに興味をそそられる。欲しい人は欲しい、要らない人は要らない。そんな一点突破家電を企画開発しているのが、大阪に本社を置くライソンだ。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と形容されたのは、もはや遠い昔。日本の家電メーカーが一様に元気をなくす中、独自路線で輝きを放つ一点突破家電メーカーの魅力に迫る。

哲学の知識、思考法、対話を通じて企業の課題を分析する「哲学コンサルティング」への関心が高まっている。ここ数年、Google、AppleなどGAFAが哲学者を雇用したことも話題になった。哲学コンサルは、「なぜそうなのか?」「それはどういう意味か?」と問いを交えながら、筋道を立てて考えを深めることで、ビジネスの本質的な課題や進むべき道を探ろうという試みともいえる。哲学コンサルは、企業にどのような価値をもたらすのだろうか。

テクノロジーのすさまじい進化と感染症パンデミック。社会の成り行きは不透明さを増し、ビジネスの不確実性は高まるばかり。VUCA(ブーカ=変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)とも言われるこの時代、世界経済をリードする米国企業を筆頭に、ビジネスに哲学コンサルティングを活用する動きが見られる。哲学とビジネスは、やや距離がある印象だが、なぜいま企業は哲学を求めているのだろう。

コロナ禍により窮地に立たされた企業は少なくない。とりわけ苦境がクローズアップされたのは飲食業界やイベント業界だ。しかし、あまり注目されないものの、間接的にダメージを受けた業界もある。たとえば、オフィス関連の商材を扱うメーカーだ。新しい生活様式の推進に伴う働き方の変容で、オフィスから人がいなくなる中、どのように事業をかじ取りしたのか。オフィス文具を多数扱うキングジムの宮本彰社長に話を聞いた。

10月15日、コンビニ銀行「ローソン銀行」が営業を開始した。7年ぶりとなる銀行新規参入であり、流通系金融機関としてはセブン銀行、イオン銀行に続く3行目となる。近い将来には、キャッシュレス決済に対応した新サービスも手掛けるという。超低金利が続く昨今、“銀行冬の時代”の到来が叫ばれて久しいが、このタイミングでの参入に勝算はあるのだろうか。決済サービスに詳しい野村総合研究所・田中大輔氏に聞いた。

今年2月、政府が推進すべき基本的かつ総合的なガイドラインである「高齢社会対策大綱」が見直された。この中で制度変更の検討が明らかになったのが公的年金の「(個人が)70歳以降の受給開始を選択可能にする」というもの。年金の今後はどうなっていくのか。年金制度に精通する、ニッセイ基礎研究所研究員の中嶋邦夫氏に聞いた。

東京都議会での、ある都議による“不適切な性教育”発言がきっかけとなり、中学校での性教育を巡る議論が過熱している。有識者への取材および発言した都議本人からの回答を踏まえて、性教育はどうあるべきなのかを考察してみたい。

現行のセンター試験は2020年に廃止され、後継の「大学入試共通テスト」が導入されることが決まっている。この制度変更は何が目的で、どのように変わるのか。また、入試改革の影響を受ける学生にはどのような影響があるのか。ベネッセコーポレーションの藤井雅徳氏に聞いた。

運転手を悩ませる渋滞。車がなかなか進まないとイライラは募るばかり。さらに言えば、渋滞が事故を誘発しかねずリスクも高い。できればストレスのないスムーズなドライブをしたいものだが、そもそも渋滞は、なぜ発生するのだろう。ドライバー1人の心掛けで、渋滞を緩和させることはできるのか。「渋滞学」の第一人者・東京大学先端科学技術研究センターの西成活裕教授に聞く。

現在、日本の性教育は、教育課程の家庭科や保健科といった授業で実施されている。しかし、欧米などの教育先進国をはじめ、アジア諸国と比較しても、その内容は乏しいと指摘されがちだ。人が生きていくうえで避けては通れない「性」にまつわる教養。タブー視される向きもある中、公教育はどこまで担うべきか、専門家に聞く。

金銭などの報酬と引き換えに、性的サービスを提供する「セックスワーカー」。日本をはじめ、売春を非合法とする国ではセックスワークは職業として認められていないが、現実は違法営業が後を絶たない。また、セックスワーカーには労働者に当然認められるべき権利も保障されておらず、しばしば搾取の対象になっているという問題も指摘されている。このようなジレンマの打開するうえで有効視されているのが、「売春合法化」だが、やはりそう簡単な問題ではないという。

「ポールダンス」といえばかつて、ストリップクラブで女性が踊る官能的なダンスというイメージが強かった。しかし、近年はアクロバティックな技を競うスポーツとしても認知度が高まっており、世界大会も開催されているほど。日本での人気も上昇中で、レッスンに足しげく通う女性も増えているという。

日本は経済規模を示すGDPランキングで世界第3位。世界でも稀に見る豊かな国として確固たる地位を築いている。しかし、全国民の所得を平均したとき、中央値のさらに半分に満たない人の割合「相対的貧困率」は、世界34カ国中、第6位(2010年、OECD調査)と、かなり高いことをご存じだろうか。

「猫にマタタビ」とは、非常に好きなものの例えで、与えれば効果を発揮することを指すことわざ。本物のマタタビの実や葉からはフェロモンが放たれており、猫が嗅いだり食べたりすると“酔っぱらって恍惚とした状態”になると言われている。そんなマタタビだが、じつは人間の健康にも好影響があるそうだ。その成分や効能について、植物生態学に詳しい東京農工大学・藤井義晴教授に聞いた。

古今東西、遊び道具は数あれど、「ハンドスピナー」ほど、“いま”“なぜ”人気を博しているのか合点がいかない玩具は類を見ないかもしれない。丸みを帯びた手裏剣のようなフォルムで、基本的には親指とその他いずれかの指で中心を挟み、外周をくるくると回すだけ。そんな極めてシンプルな玩具が、世界中で爆発的に愛好者を増やしているという。

「電車内」は、極めて特殊な場所だといえる。私語禁止というほど厳しい規制はないが、かといって路上ほど自由が許されるわけではない。社会学で「儀礼的無関心」と呼ばれる、こうした公共空間での暗黙のマナーとは?
