若い女性の間でヒットする商品には必ず「カワイイ」が含まれている。著書『カワイイエコノミー』(日経BP)でこう述べるのは、プリントシール機でヒット作を飛ばすフリュー株式会社「ガールズトレンド研究所」所長の稲垣涼子氏。そんな稲垣氏に「カワイイ」ヒット商品の開発方法や、流行の終わりの見極め方などについて聞いた。(清談社 沼澤典史)
「カワイイ」と感じる
2つの要素とは
趣味嗜好(しこう)が多様化した現代、ヒット商品を生み出すことはなかなか難しい。
だが、稲垣氏によれば、時代が違っても変わらない、若い女性向けの商品開発で重要なポイントは2つあるという。
「私はプリントシール機の商品開発を通して、若い女の子のトレンドや好みについて研究してきました。そのなかで、若い世代の女性には一貫した行動理由があり、ここを理解することが重要だと考えました。それは『自分がひとりではない安心感』と『他者から評価されることも含めた自己肯定感』です。これらは現在、さかんに言われている承認欲求とほぼ同義ですが、この行動原理は私が高校生だった25年前から変わらないものだと思います」