安倍晋三元首相が銃撃されて死亡した事件で、殺人容疑で送検された山上徹也容疑者(41)。母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に多額献金した結果、家庭が崩壊したことで、教団への恨みが凶行の動機につながったと見られている。山上容疑者は、いわゆる“宗教2世”だ。信仰の種類や教義にかかわらず、親が信じる宗教を自分も信じなければいけないという点は共通しており、親の宗教や信仰によって精神的、経済的に追い詰められたり、現実生活や人生設計が思い通りにいかない「2世」は少なくないとされる。AERA dot.では昨年、「カルト2世に生まれて」として、親の信仰によって苦悩し、生きづらさを抱えた2世たちのインタビューを短期連載した。2世たちの声を改めて再掲する(年齢、肩書などは記事掲載時のもの)。
※カルトは「宗教的崇拝。転じて、ある集団が示す熱烈な支持」(大辞泉)とあり、本稿でもその意味で使用している。親が子に信仰の選択権を与えないほどに熱狂的な信者であり、そうした家庭環境で育った子どもを「カルト2世」と定義している。本稿は教団の教義や信者の信仰を否定するものではなく、一部の2世が感じている“生きづらさ”に焦点を当てることを目的としている。
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