韓国・尹錫悦大統領、就任早々の「支持率急落」で日韓関係はどうなる? 第20回大統領就任式のレセプションで韓国の朴炳錫国会議長に耳を傾ける尹錫悦大統領とその妻の金建希(右)(2022年5月10日) Photo:Pool/gettyimages

今年5月に韓国大統領に就任した尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏。この5年ほど悪化が続いた日韓関係の改善に前向きだが、就任早々支持率が急落している。なぜ支持率が低下したのか、韓国では岸田文雄首相はどのように見られているのか、徴用工問題はどうなるのか。日韓関係改善に関わる最新の状況を解説する。(日韓関係専門家、フリーライター ミン ジェウク)

安倍元首相銃撃事件と参院選の自民党圧勝で
岸田首相の立場は盤石?

 安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件は、韓国社会においても非常に大きな衝撃であった。韓国では安倍元首相は「右派の象徴」とみられている。

 翌々日の7月10日に投票が行われた参議院選挙は、自民党と公明党の連立与党が圧勝した。安倍元首相の銃撃事件前から、与党が過半数を占めるだろうと予想されていたが、彼の死により同情票まで集まった結果の圧勝と見ていいだろう。昨年10月4日に第100代内閣総理大臣に就任した岸田文雄首相は、これによって政治的な立ち位置を強固にし、今後3年間大規模選挙のない、「黄金の3年」を担うことになった、と韓国では報じられている。

 一方、今年5月に就任したばかりの韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、早くも支持率が急落。就任早々、厳しい立場に立たされている。