午後のワイドショー「ゴゴスマ」(TBS系)を、東海ローカルから全国の人気番組へと躍進させた立役者である同番組MCの石井亮次アナウンサー。フリーアナとして独立した今は、多局のさまざまな人気番組にも出演しそのトークを披露している。8月21日には、「ワイドナショー」にも出演。威圧感ゼロなのに場の空気をしっかりつかみ、共演者からも視聴者からも信頼と好感度を寄せられるその神トーク術が、今、話題となっている。本連載では、「話し方の極意」を初めて明かした著書『ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方』から、コミュ下手でもすぐに使える会話の心構えとテクニックをお伝えする。
みんな、ほめられたい、認められたい
「ほめ上手」という言葉がありますね。僕は、よくいろんな人から「石井さんはほめ上手ですね」と言われます。そこまでなら、それこそほめてもらってるわけですが、その後にこう続くことがあります。
「普通は、照れくさくて、そこまでほめられないですけどね……」
これは暗に「臆面もなくほめるなんて、軽いですよね」と言われているのかもしれません。もっとひどい場合は「おべっか使い」みたいに思われているのかも。
でも、僕は何を言われても「ええやん、だってほめたら喜んでもらえるし」と思っています。
ほめられたほうも嬉しい、嬉しがってもらえて、ほめた僕も嬉しい。みんなが嬉しいほめ言葉。遠慮する必要なんて、一つもありません。
「承認欲求」というのは人間の根源にある欲求のひとつです。誰でもみんな「ほめられたい、認められたい」と願っています。だから、それに応えてほめてあげることは相手への「愛情」「好意」の表現でもあります。「ほめる」には、「好き」の気持ちがセットです。だから、相手もすごく嬉しくなるのだと思います。
「笑顔がいいね」は一生続くほめ言葉
しかも、ほめ言葉は何度も繰り返し思い出すことができます。
僕の友人にも、小学生の時に校長先生から「君の笑顔を見ていると、みんなが楽しくなるね」と言われたのが嬉しくて、ずっと笑顔を心がけているという人がいます。
たった一言なのに、数十年にわたって余韻が続いているというのだからすごい力です。
1万円もらって嬉しくても、使って無くなったら終わり。でも、ほめ言葉は永遠に効果を発揮し続けます。何よりも素晴らしいプレゼントだと思いませんか?
有名人、偉い人相手でも「ほめ」は遠慮する必要なし
相手が偉い方だったり、有名な方だったりすると、自分ごときがほめても鬱陶しいだけなんじゃないかなと遠慮することもありますよね。でも、多分、そんなことはないと思います。
元SMAPの稲垣吾郎さんとお仕事でご一緒したことがあります。その時に、吾郎さんが「地方局が好きだ」とおっしゃっていたので、その理由を聞いて驚きました。
「だって、地方では稲垣が来た!ってみんな盛り上がってくれるから。東京では、誰も騒いでくれないんだよ」
吾郎さんほどの大スターでも、そういう気持ちがあることにびっくり。どんなにスーパースターになっても、やっぱり人から評価されたら嬉しいものなんですね。
それ以来、ますます自信を持って、大スターでも大御所でも、どんなに偉い人でも堂々とほめることにしました。
ほめは、どんな時でも、どんな相手に対しても、最強の手段だと思っています。
*本記事は、「ゴゴスマ石井の なぜか得する話し方」から抜粋・編集したものです。