ビジネスパーソンの悩みの多くは人間関係に由来するものではないだろうか。現在、この問題をはじめ、仕事にまつわる多くの悩みを圧倒的な説得力をもって解決することで人気なのが、プロデューサー・佐久間宣行さん初のビジネス書『佐久間宣行のずるい仕事術』だ。この本はSNSで「働くすべての人に読んでほしい」「人生の教科書にします」と絶賛コメントが多数寄せられている。ここでは本書から佐久間氏が提唱する仕事術の一部をお届けする。
「会社がすべて」になっていないか?
会社は、友だちをつくる場じゃない。
あくまでも働く場。
それ以上でも以下でもない。
いま、会社の人間関係が人生のすべてになっているとしたら、それは危険信号だ。
会社の人間関係がすべてになると、気づかないうちに会社のルールに染まってしまう。
不正や理不尽を目にしても、組織の価値観がすべてだから「おかしい」と気づけない。
心に澱が溜まっても、組織を疑うことなく自分を責める。
いざというとき、心の逃げ場がなくなってしまうのだ。
仲は仕事で深めればいい
もちろん一緒に働く同僚との仲がよければ、気持ちよく仕事ができる。
険悪な雰囲気の漂うチームで仕事をするのはだれだって嫌だ。
でも、同僚との仲は「仕事の中」で深めていくもので、飲み会や週末のゴルフで深めなくてもいいと僕は思っている。
必要なのは「仕事仲間」で、「飲み仲間」や「ゴルフ仲間」ではないのだから。
会社の人とは飲みにいかない
僕は仕事柄、意外がられるけど、タレントやマネジャー、同僚と飲みに行くことはほとんどない。
後輩を誘うこともまれだし、上司もそう。
なぜなら優先すべきは「仲良くなること」じゃなく「いい仕事をすること」だからだ。
会社には仕事仲間がいれば十分と考えれば、行きたくない飲み会もきっぱり断れる。
その時間で、勉強したり、やりたい仕事の準備もできる。正しい努力にあてられる。
「会社の外」に目を向ける
ただその代わりに、大切なことがある。
会社の外に損得勘定抜きで付き合える人間関係を持っておくということだ。
学生時代の友だちでもいいし、趣味の友だちでもいい。心を許せる人間関係を持っておこう。
友だちが少ないなら、恋人でも家族でもいい。
とにかく、「会社」という狭い箱がすべて、という状況だけは避けてほしい。
「心のセーフティネット」はキープせよ
「あいつらがいるから大丈夫」と思える人間関係を持っておくことは、ビジネスパーソンの心のセーフティネットになる。
僕も大学時代の友人たちの存在には、ほんとうに助けられてきた。仕事の話を一回もしたことがない。「あいつら」には。
仕事場は、あくまで仕事場。
いい仕事をしていれば仕事仲間は勝手に増えていく。
その代わり、仕事が忙しくなるとどうしても疎遠になりがちな、ただただ「楽しい」、ただただ「好き」だけでつながっている人間関係は、全力で死守してほしい。
(『佐久間宣行のずるい仕事術』より)
※本書には、この他にも、たくさんの仕事術が収録されています)