階段の上り下りに関しては、速筋は下りる際に足をストップさせるときに使われ、遅筋は一歩一歩上っていくときに必要とされる。高齢者が階段で転んでけがをするのは、ほとんどの場合が下りているとき。速筋が衰えて、スムーズに下りられなくなったことが原因だ。

 人間の筋肉は30代を境に衰えはじめ、特に速筋の筋肉量が減っていく。一方、遅筋の衰えるスピードは速筋と比べてずっと遅く、年齢を重ねるとともに筋肉量が激減するようなことはない。

 速筋については、何もしないと衰えていくばかりなのだが、じつはトレーニングをすると筋肉が大きくなりやすいという特徴がある。遅筋の場合はそうではなく、鍛えてもなかなか筋肉が大きくならない。

 こうした筋肉のタイプの特性から、日ごろから鍛えるべきなのは速筋ということになる。階段を使う場合、上ることを心がけても遅筋にはさほど影響はない。しかし、下りるときには、一段下がって動きを急に止めるたびに速筋に負荷がかかる。頭を切り替えて、次からは速筋強化につながる階段トレーニングをしてみよう。

何10万円も得をする!定年退職は「誕生日の1カ月前」のすすめ

 最近は60歳を過ぎても、継続雇用などで働く人が増えている。こういった働き方を選んだ場合、退職するのは65歳であることが多い。ほとんどの人は、65歳の誕生日になるのを待って会社を辞めることだろうが、その退職の仕方はNGだ。

 まさかと思うかもしれないが、何10万円も損をしてしまうので、やってはいけない。

 じつは65歳で定年退職した場合、ハローワークに行っても、基本手当をもらうことはできない。基本手当の支給の対象となるのは64歳まで。65歳になると、「高年齢求職者給付金」という制度にガラッと変わってしまうのだ。

「高年齢求職者給付金」は基本手当とはまったくの別物で、支給されるのは1回だけ。上限の金額でもらえて、最大50日分という設定で計算しても、30万円余りにしかならない。

 一方、基本手当はどれくらい支給されるのか。雇用保険に20年以上加入し、基本手当日額が7000円の場合、7000円×150日=105万円までふくらむ。差額はおよそ70万円もある。

 退職日がたった1カ月違うだけで、もらえるお金にはこれほどの違いが出る。これはもう、64歳で取りにいかない手はない。65歳まで働く場合、その1カ月前、64歳11カ月で退職するのがおすすめだ。ちなみに、雇用保険法では誕生日の前日に満年齢に達すると定められている。7月1日が誕生日の場合、その前日の6月30日で辞めれば、制度上では65歳で退職することになるので注意しよう。