ナンシー・ペロシ米下院議長が今週の台湾訪問計画を実行に移せば、米中の関係に「深刻な悪影響が生じる」との中国政府の警告は、身も凍るような内容だ。西側諸国は過去50年ほどの間、中国を文明諸国に仲間入りさせようと努めてきた。それを受けて中国政府が示した対応は、軍事力の強化、1989年の天安門事件での学生らの虐殺、より最近の事例としては香港の自由の抹殺などだった。そして中国は今、台湾を威嚇している。中国の拡張主義は、米国に近い地域でも似たような問題を引き起こしている。中国は現在、西半球でも大きな存在感を示しており、親切な慈善家のふりをして反民主主義の政権を積極的に支援している。米国務省は注意を怠ってきた。中国が中南米で活動しているのは、この地域の国々を「支援」するためだという同国の説明の誤りを正す機会を、長年にわたり逸してきた。