コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4〜6月度の百貨店編だ。
三越伊勢丹、高島屋…百貨店4社全てが増収でも
「真の復活はまだ先」の事情とは?
百貨店の主要4社が発表した4〜6月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯三越伊勢丹の既存店売上高
4月度:前年同月比128.8%(28.8%増)
5月度:同189.2%(89.2%増)
6月度:同113.8%(13.8%増)
◯髙島屋の国内百貨店売上高
4月度:前年同月比122.0%(22.0%増)
5月度:同155.2%(55.2%増)
6月度:同110.8%(10.8%増)
◯大丸松坂屋(J.フロント リテイリング)の百貨店事業合計
4月度:前年同月比122.4%(22.4%増)
5月度:同179.1%(79.1%増)
6月度:同118.5%(18.5%増)
◯阪急阪神百貨店(エイチ・ツー・オー リテイリング)の既存店売上高
4月度:前年同月比142.0%(42.0%増)
5月度:同298.6%(198.6%増)
6月度:同121.5%(21.5%増)
今回取り上げる4社全てが、22年6月の実績で前年同月を上回っている。中でも、阪急阪神百貨店の既存店売上高は前年同月比で121.5%(21.5%増)と、2割を超えて増えた。この数値を見ると、各社の業績は回復に向かっているように思えるが、実際はそうとは言い切れない。
業績を時系列で確認していくと、百貨店各社の実態が見えてくる。