丸井グループの元常務執行役員が、エポスカードを巡るビジネスモデル特許の発明対価を求めて“古巣”を提訴した。5月24日の第1回口頭弁論を前に、原告の瀧元俊和氏がダイヤモンド編集部の単独インタビューに応じた。特集『丸井 レッドカード』(全13回)の#9では、瀧元氏に古巣を相手に異例の訴えを起こした理由を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部編集委員 名古屋和希)
再構築を託され後発で参入
社長も務め、事業をけん引
――特許の発明対価を求めて丸井グループ(G)傘下のエポスカード社を提訴しました。同社の社長を務めるなど長く関わっています。
丸井Gは割賦販売やいわゆる「赤いカード」で知られていますが、2000年前後、カード事業は伸び悩んでいました。
銀行系のカード会社だけでなく、小売り大手も相次ぎカード事業に注力し、競争が激化する中で、03年に当時の専務からカード事業の再構築を命ぜられました。これがエポスカードに長く関わることになったきっかけです。
数人のスタッフと共に04年にエポスカード社の前身となるマルイカード社を立ち上げ、企画部長に就きました。その2年後の06年に業界で後発となる「エポスカード」の発行にこぎ着けたのです。
丸井Gの執行役員に就き、短期間だけカード事業を離れたことはありましたが、エポスカードの立ち上げから育成に関わり、キャリアの多くはカード事業にささげたといえます。
12年から16年はエポスカード社の社長を務め、カード事業を担当。まさに部長から社長まで勤め上げたわけです。
――自ら育ててきたエポスカード社を提訴したのはなぜですか。