天気が原因で体調を崩す「気象病」の深刻、潜在患者は国内1000万人以上!?Photo:PIXTA

天気の変化によって、体に不調を感じたことはないだろうか。天気の変化に伴う不調は、「気象病」と呼ばれる。特に気圧の影響は大きく、約8割の人が気圧の変化で体調を崩しているとの調査結果もある。気圧が体に与える、侮れない影響とは。『1万人を治療した天気痛ドクターが教える 「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』(アスコム)の著者で、医師の佐藤純氏が監修・解説する。

“天気痛”ドクターが解説!
「天気が悪いと調子が悪い」は気のせいではない

 天気が悪くなると古傷が痛む、雨が降る前や台風が近づくと、頭痛が起きたり気分が落ち込んだりする……など、天気の変化で体調が悪くなることはありませんか。もしかしたら、その不調は「気象病」かもしれません。

 天気の変化に伴う不調には、頭痛、めまい、首・肩こり、腰痛、関節痛、むくみ、耳鳴り、だるさ、気分の落ち込みなど実にさまざまなものがあり、それらの病態を総称して「気象病」と呼んでいます。私は、その中で痛みを伴う症状のことを「天気痛」と名付けました。

 これらの不調は、天気(気圧、気温、湿度)の変化が耳の奥の内耳や自律神経に作用して表れるもので、誰の身にも起こり得る症状です。

 気象病や天気痛という言葉は、最近になってやっと少しずつ浸透してきましたが、まだまだ知らない人も多く、つらい不調を「心の問題」や「心の弱さ」として片付けられてしまうことも多いのが現状です。

 しかし、天気による不調は「気のせい」でも「心の問題」でもありません。しっかりした因果関係のある、誰もが発症する可能性のある症状です。特に近年では地球温暖化の影響による異常気象のため、不調を訴える患者さんの数も増加傾向にあります。決して、人ごとではないのです。

 今回は、最も多くの人が影響を受ける気圧の変化と「気象病」の関係について、お話ししたいと思います。