ベトナムのビングループは、高級リゾートや病院、ショッピングモール、スーパーマーケットなどを幅広く手がける同国最大の複合企業だ。同グループが傘下に持つ電気自動車(EV)新興メーカー、ビンファストは、ほぼ無名ながら画期的な価格設定で、米国の自動車市場に参入しようとしている。ビンファストは7月、米国初のショールームをカリフォルニア州に開設した。また20億ドル(約2660億円)を投じてノースカロライナ州にEV工場を建設する計画を進めるなど、米国で積極的な事業拡大に動いている。同社は成長資金を調達するため、年内か来年の新規株式公開(IPO)実施を目指し、米規制当局に書類を提出。競争の激しいEV市場に突如現れた新興メーカーに対する投資家の反応を試す最新の事例となっている。