自衛隊のセクハラ、京都・舞妓の未成年飲酒や性的接待、大阪王将ナメクジ騒動など、SNS上での「告発」が相次いでいる。少し前まで、一般人の告発といえば週刊誌への持ち込みがメインだったが、告発の手段が変わってきた。これから考えられる展開とは。(フリーライター 鎌田和歌)
SNSで告発、3人の共通点とは
ナメクジが大量にいる――。
写真付きツイートが瞬く間に拡散されたのは、7月24日。大阪王将の仙台市内にある店舗の元従業員の男性が、勤務当時の不衛生さを訴えたのだ。ナメクジやゴキブリが大量発生していたことや、ネコを2年半にわたって飼育していた実態が明かされ、同社は7月27日にプレスリリースで謝罪した。
この元従業員男性は28日には顔出しで会見を行い、新聞社などの取材を受けている。また、7月末までに仙台保健所が、該当店舗に立ち入り検査を行ったことが報じられた。
飲食業にとって致命的とも言える衛生面についての告発とはいえ、これほどのスピードで企業側がある程度の事実を認め、対応が取られたのは驚きではないだろうか。
これがもしも内部告発であれば、根本的な対策は取られなかった可能性もある。実際、元従業員男性は、過去にあった保健所の衛生検査のあとも、環境改善には至らなかったと発言している。
告発が多くの人の目に止まり、企業が説明をしなければならない状況になったからこその対応であり、男性もそれを狙っていたはずだ。
これ以外にも、SNS発で世間を騒がす告発が相次いでいる。
元女性自衛官の五ノ井里奈さんが自衛隊在籍時代の壮絶なセクシュアルハラスメント被害を語った動画がアップされたのは6月末。この動画はツイッターなどで拡散され、五ノ井さんはその後もツイッターで自ら発信を続けている。
また、同じく6月末にツイッターで、京都・祇園で舞妓をしていた桐貴清羽さんが、宴席での未成年飲酒や「お風呂入り」と呼ばれる混浴など性的サービスが黙認されている状況があったと告発した。
五ノ井さんや桐貴さんの告発については、性的な被害が絡むためか主要紙は報道しておらず、週刊誌やウェブメディアが本人の告発を「後追い」をしている状況だ。