最近の選挙では、候補者はSNSなどのインターネットを駆使する。とはいえ、7月10日に投票が行われた参院選で、海外に在住しながら当選してしまう候補者が出たことに驚いた。しかも、昨年までは一般的にはほぼ無名だった男性である。今年2月、暴露系ユーチューバーとしてデビュー、あっという間に登録者数100万人を突破、さらには参院選での当選をモノにした「ガーシー」こと東谷義和氏の選挙戦から、今後の選挙のあり方を問う。(フリーライター 武藤弘樹)
選挙の争点を超越
人気で剛腕当選を果たしたガーシー
先日行われた参院選は自民党の大勝で幕を閉じた。選挙期間中のツイッターでは「憲法」「消費税」「エネルギー」といった語への関心が高かったようである。
その参院選で、「ガーシー」こと東谷義和氏の出馬が話題を呼んでいた。東谷氏は暴露系ユーチューバー(芸能人などの有名人の裏話を暴露することで注目を集めたユーチューバー)であり、今年の2月にチャンネルを開設してから2カ月を待たずしてチャンネル登録者数が100万人を突破した。間違いなく今年指折りの時の人である。
現在、ドバイ在住。NHK党から比例代表で立候補したものの日本で選挙戦を行うこともなく、ネットのみを使った異例の選挙戦を展開した。そして約29万票を獲得して、見事当選を果たしたのであった。Twitterのトレンド1位に「ガーシー当選」が入ったことからも、世論のざわつきがわかるだろう。
言うまでもなく「ガーシー」の当選は、賛否は別にして新しい流れである。氏の当選に寄せられた賛否の意見にはどのようなものがあるのかを参考にしながら、今後の選挙戦がどう変わっていくのかを占ってみたい。