厚生労働省が7月20日に開いた薬事・食品衛生審議会の合同会議厚生労働省が7月20日に開いた薬事・食品衛生審議会の合同会議 Photo by Masataka Tsuchimoto
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

 初の国産の新型コロナウイルス治療薬が承認されなかったことはもちろん、製薬企業としての言わば「禁じ手」を連発して粘り続けた塩野義製薬の一連の振る舞いへの落胆も大きい。厚生労働省が「継続審議」の判断を下した同社の経口薬「ゾコーバ」(一般名=エンシトレルビル)。その裏には、水と油の関係であるべき「薬事と政治」を交錯させてまで、まだ願望止まりの新薬の緊急承認に漕ぎつけようとした塩野義の姿があった。