大分県で生まれ育ち、小・中・高と地元の公立校、塾通いも海外留学経験もないまま、ハーバード大学に現役合格した『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』の著者・廣津留すみれさん。ハーバードを首席で卒業後、幼い頃から続けているバイオリンを武器にニューヨークのジュリアード音楽院に進学、こちらも首席で卒業した。現在はバイオリニストとして活動しながら、テレビ朝日系『羽鳥慎一 モーニングショー』のコメンテーターとしても活躍している。先ごろは『徹子の部屋』に出演し、話題となった。
日本から突如、世界のトップ校に飛び込み、並み居る秀才・天才たちのなか、途方に暮れるような大量の難題を前に、どう考え、どう取り組み、どう解決していったのか? 著者が学び、実践してきたハーバード流の「考える力」について、自身の経験をベースに、どうすれば個人や組織が実践できるかを、事例やエピソードとともにわかりやすく紹介する。
※本稿は『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』より一部を抜粋・編集したものです。

【『徹子の部屋』で話題】絶対に文章力がアップする!アメリカの学校では教わるのに日本の学校では教わらない決定的な“文章スキルの違い”Photo: Adobe Stock

作文の書き方を
学校で教えてもらった記憶はありますか?

ハーバード生の論理的思考力が高い理由の1つに、子どもの頃から受けている「英作文」の教育があると思います。

日本では、国語の授業や夏休みの課題で、作文や読書感想文を書かされることはあっても、作文の書き方は教えてくれません。学校の先生が、原稿用紙3枚分もの文章をどう構成したらいいのかを教えてくれた記憶が、少なくとも私にはないのです。

子どもに書かせるだけ書かせておいて、先生は評価するだけ。どう書けばいいかの指導がないのは不思議な話です。先生から戻ってきた読書感想文に「あらすじだけにならないように」「自分の意見を書きましょう」などと赤ペンが入っていても、具体的なスキルを教わらないと改善しようがありません。

自分の考えを
わかりやすく“伝える技術”

一方、アメリカでは、自分の考えを誰にでもわかるように、論理的に説明する能力を高めるため、誰でも小学生の頃から英作文の書き方を教えられます。それが「5パラグラフ(段落)エッセイ」、つまり5つの段落からなる小論文です。

5パラグラフエッセイの構成には、完成されたテンプレートがあります。それを小学生の頃から学ぶのです。夏休みの思い出も読書感想文も、そのテンプレートに従って書くだけですから理に適っています。

作文の技術を習うというと、いかにうまく書くかを伝授してくれる文章講座のようなものだと思われがちですが、そうではありません。アメリカで子どもたちが学ぶ作文のテンプレートは、文章の内容にかかわらず、自分の意見をわかりやすく伝えるための技術なのです。

作文の苦手意識は
シンプルなルールを知らなかっただけかも?

このテンプレートは、たった2つのルールを踏まえるだけで活用できます。作文や資料づくりはもちろん、日常の会話や仕事のプレゼンテーションにも応用できます。

1つ目のルールは「1パラグラフ(段落)・1アイデア」。1つの段落には、1つの考えや主張しか入れないというシンプルなルールです。段落ごとに順を追って読めば内容が相手に伝わるので、物事を順序立てて伝えるのに有効です。

2つ目のルールは、5つの段落が、「イントロダクション(導入)⇒ボディ1(本論)⇒ボディ2⇒ボディ3⇒コンクルージョン(結論)」という順番で展開していることです。広く一般に多くの人が読むことが前提となる新聞の社説や論文のような文章は、例外なくこのルールが貫かれています。

※本稿は『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』より一部を抜粋・編集したものです。