ヴァイオリニストでテレビ朝日系『羽鳥慎一 モーニングショー』のコメンテーターとして活躍中の『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』著者・廣津留すみれさん。大分県で生まれ育ち、小・中・高と地元の公立校、塾通いも海外留学経験もないまま現役合格したハーバードをなんと首席で卒業。その後、進学したジュリアード音楽院も首席で卒業した。すみれさんが学び、実践してきた「考える力」を事例やエピソードとともに、わかりやすく紹介します。

【ハーバード&ジュリアード】自分がやりたいことを見つける3つのステップとは?Photo: Adobe Stock

3つのステップで
本当にやりたいことを
洗い出す

ありがたいことに、私は講演の機会をいただくことが増えました。そこでの質疑応答で、次のような質問がよく寄せられます。

「すみれさんは、起業して自分ですべて決めるCEOという立場だから、仕事も何もかも思った通りにコントロールできているはず。そうした恵まれた立場にない場合、自分の思い通りに生きるにはどうすればいいですか?」

私は経験豊かな人生相談の回答者ではありませんから、こうした質問を受けると正直、戸惑います。私は自ら起業した会社ではCEOですが、だからといって何もかも思うようにコントロールできているわけでもありません。

考えてみると、たとえ起業していない人でも、誰もが自分という会社を運営している“自分会社のCEO”のようなものです。勤め先の上司になんと言われようが、自分がどうするかを最終的に判断して行動する主導権は、他ならぬ自分自身にあります。それなのに組織の上から次々に降りてくるタスクをこなすのに精一杯の日々を送っていると、本当は自分の人生をどうしたいのかがわからなくなる恐れがあります。

自分会社のCEOとして人生を充実させるために欠かせないのは、自分と向き合って真摯に対話する時間です。それがないから他人の影響を受けやすくなり、思ったような仕事ができないといった不満につながるのではないでしょうか。

そこで、次の3つのステップで、ぜひ自分と向き合って考える時間をつくってみてください。

ステップ1 今日のTODOリストをすべて書き出す
ステップ2 自分と向き合い、人生の理念と目標を確認する
ステップ3 人生の理念と目標を達成するために何をすべきかをTODOリスト化して実践する

ステップ1で「今日のTODOリスト」をすべて書き出すのは、頭をスッキリさせるためです。「あれをやらなきゃ」「これもまだ終わっていない」とやるべきタスクが頭に残っていると、自分と真摯に向き合って考えようという心の余裕がなくなります。書き出してタスクを“見える化”するだけでも、結構気がラクになります。

もっとも大事なのは、ステップ2です。会社でいうなら「経営理念」です。自分会社のCEOとして、どんな理念と目標を持って人生を歩むかをあらためて考えてみるのです。ステップ1でTODOリストを書き出して頭をスッキリさせたところで、次に自分の人生で何をしたいかを素直に書き出してみるのです。

短期・中期・長期を問わず、そもそも自分が何をしたいのかを箇条書きで書き出してみてください。日常レベルのタスクに追われていると見過してしまいがちな、自分が気づいていない興味や趣味、将来の目標、新しい仕事やプロジェクトの可能性を発見するきっかけになると思います。私自身がこのステップ2で活用しているのは、アイデアノートです。

ステップ3では、ステップ2の理念と目標に近づくため、何をすべきかを書き出してTODOリスト化します。仕事のTODOリストだけではなく、人生のTODOリストをつくって、自分会社のCEOとして、それをいつまでにどう片づけるかという“経営判断”をする習慣をつけましょう。

この作業でも、ぜひ5分間メソッドを活用してみてください。

「自分」という会社を経営する視点で考えたことはありますか?