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「守」と「攻」と「絆」で親の財産を守りなさいPhoto: Adobe Stock

帰省時に親に話しておきたいお金の話

「親孝行したいときには親はなし」といいます。その日は突然やってきますが、親孝行できなくなるだけでなく、相続という悩みも一緒にやってきます。お金の話は親子間でもタブーですし、兄弟が絡むとさらに厄介です。

 しかし、だからといって見て見ぬふりをすると、一族そろって不幸になりかねません。そこで、いざというときに慌てふためかないように、最低限の対策をマニュアル化しました。

 それは、「守」「攻」「絆」で構成。親の財産の目減りを抑え、逆に財産を増やし、相続争いを防げます。盆暮れ正月の帰省時に、ぜひご活用ください。

《守》両親や祖父母を銀行から守りなさい

 相続というと爾後(じご)の相続争いをイメージしがちですが、争いの種は生前にまかれます。相続財産が少ないほど相続争いが起きやすいので、財産の目減りは避けたいもの。裁判所がまとめた「令和元年度司法統計」によると、遺産分割事件のうち、相続財産価格が1000万円以下の案件が33.9%、1000万円超5000万円以下の案件が42.9%と、5000万円以下の案件が76.8%を占めました(https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/307/011307.pdf)。

 相続争いだけではありません。財産が目減りすると、親は悠々自適な生活が送れなくなります。最悪の場合、生活資金が底をついて子ども世帯にまでしわ寄せがきます。

 では、親の財産を守るために、何に気をつけなければならないのか。多くの人はオレオレ詐欺を思い浮かべるかもしれませんが、「銀行」です。

「証券会社と違って、銀行は安全な商品しかすすめてこない」。そう信じているお年寄りは意外と多いものです。しかも、話し相手になる銀行員は、お年寄りにとっては頼もしい存在です。

 しかし今や、銀行が扱う金融商品は、手数料が高いうえにリスクが高い商品が主流です。私が銀行員だった頃にも、多くのお年寄りが、こうした金融商品の犠牲になっていました。たとえば、大手の信託銀行から4年で40回も投資信託を回転売買させられて5000万円失うような被害が後を絶ちませんでした。ご家族が気づくのは、往々にして相続発生後なので、後の祭りです。証拠もないので、泣き寝入りするしかありません。

 警察庁によると2021年のオレオレ詐欺の被害額は282億円でした(https://www.npa.go.jp/bureau/criminal/souni/tokusyusagi/tokushusagi_toukei2021.pdf)。

一方、日銀によると、投資信託の残高は2021年12月末現在で94.3兆円でした(https://www.morningstar.co.jp/market/2022/0318/fund_01623.html)。これは、オレオレ詐欺の被害額の3343倍にあたります。つまり、投資信託のリスクを知らずにすすめられるがままに買った人が3343人に1人でもいたら、オレオレ詐欺の被害額を軽く超えてしまう計算です。

 そこで、ご両親や祖父母が被害にあわないように、ご家族のあなたが目を光らせて、守ってあげてください。そのためにもまずは、あなたご自身が金融商品のリスクを勉強することから始めましょう。お金の教科書的な入門書が1冊あれば重宝します。

《攻》両親や祖父母の財産にも働いてもらおう

 次に、守った財産を有効活用するお手伝いをしてはいかがでしょうか。具体的には、ご両親や祖父母に生活資金以外の余裕資金がある場合には、その一部をお借りして1%程度の利息を支払います。定期預金金利が小数点以下の時代ですから、1%の利息を支払えば、ご両親や祖父母は大喜びしてくれるはずです。

 もちろん、1%の利息を支払うためには、借りたお金を運用しなければなりません。そこでおすすめしたいのが、賃貸ビジネスの初級編です。具体的には、中古戸建や中古マンションの一室を購入して賃貸する大家業を始めるのです。本業以外に2つ目の稼ぎ口を作る生き方を「稼ぎ口二刀流」と言います。中古の戸建てには、数百万円で買えるようなボロ物件が首都圏にもあります。地方であれば100万円以下の物件もあります。詳細については、「賃貸派でも購入派でもない!勝ち組になる第三の選択肢!」をご参照ください。

 もちろん、大家業はビジネスですからリスクもあります。でも、中古戸建や中古マンションには実需があるので、万が一うまくいかなければ、売却して撤退できます。投資家しか買い手がいないアパートと違って、意外とリスクは小さいのです。

 しかも、銀行がすすめるファンドラップや貯蓄型保険や投資信託に比べれば、大家業のほうがはるかに安全です。銀行のえじきになることを未然に防げるのですから一石二鳥かもしれません。

 ご両親や祖父母からお金を借りたら、大家業の進捗状況を定期的に報告しましょう。お金を借りた企業は、銀行に対して決算報告を定期的に行ないますが、それと同じです。その副次効果として、ご両親や祖父母と共通の話題が生まれて、コミュニケーションの機会も増えるでしょう。

 さらに一歩進めて、ご両親や祖父母に大家業を始めてもらう裏技もあります。もちろん、実働部隊として動くのはあなたです。表向きは家業のお手伝いなので、副業禁止に違反する心配もありません。

 これにより、ご両親や祖父母は、元手の5~10%もの家賃を毎年受け取れるようになります。しかも、相続財産の評価額を引き下げられて、相続税が大幅に減る特典までついてきます。プライベートカンパニーを使った妻社長メソッドを応用すれば、更なる節税も可能です。

《絆》攻守の要となるのが親子の「絆」

「親しき仲にも礼儀あり」といいますが、これは親子間でも同じです。特にお金まわりはナイーブなので、親子間や兄弟間でも簡単には切り出せません。

 そこでまずは、お金の話題を気軽に切り出せる関係性を築き上げることを優先しましょう。そのために、日頃から定期的に電話するなどして「絆」を深めておくことが大切です。「絆」を深めたうえで、ご両親や祖父母を守ります。そして最後の仕上げとして、ご両親や祖父母の財産に働いてもらうのです。

 お金の本質は「感謝の気持ち」です。従って、ご両親や祖父母の財産は、生涯を通して人様から感謝されたことの証(あかし)です。人様から感謝されたということは、それだけ社会に貢献してきたことを意味します。

 そんな貢献と感謝の証である大切な財産を守れるのは、ご家族だけです。普段からコミュニケーションを絶やさないようにしながら、ご両親や祖父母の財産を守ってあげてください。そしてもし可能であれば、「稼ぎ口二刀流」で増やしてあげてください。それが結果的に、相続財産の目減りを防ぎ、相続争いを防ぐことにも繋がるのです。

*本記事は、『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』著者による書き下ろしです。