ダイエットや筋トレに何度挑戦しても、結局挫折してしまった…という経験をお持ちの方は少なくないだろう。だが、「自分はダメな人間だ」と落ち込む必要はない。
本稿では、ロングセラー『小さな習慣』より一部を抜粋・編集して、いつも目標を達成できる「一目おかれる人」がやっている意外な行動をご紹介する。

いつも他人から「一目おかれる人」がやっている意外な行動とは?Photo:Adobe Stock

目標はコンフォートゾーンの外にある

 今、あなたにはコンフォートゾーンがあります。自分を取り巻くサークルのようなものを想像してみてください。あなたはそのサークルの中にいれば快適でいられますが、あなたの目標のいくつかはサークルの外にあります。

 この境界線を越えたところに、健康で体重も軽くなった自分の姿が見えるかもしれません。自分が書いた本や読みたいと思っている本を思い描くかもしれません。ネガティブな思考にとらわれることのない、幸せな自分の姿が思い浮かぶかもしれません。

 これらがあなたのコンフォートゾーンの外にあるのは、多少の不快な思いをしなければ手に入らないからです。

潜在意識があなたの気持ちを萎えさせる

 この変化を実現するためにふつう使われる方法は、思い切ってサークルの外に出て、“成功するために必要なことは何でもする”というものでしょう。自分のコンフォートゾーンの外に飛び出し、そこにとどまろうと必死に努力するのです。

 そのとき、あなたの潜在意識の脳はこう言ってきます。「これは面白い。でも、この大きな変化はどうにも居心地が悪い」。そして、外にとどまるだけのモチベーションや意志の力を失ってしまうと、潜在意識の脳はあなたを元のコンフォートゾーンに連れ戻します

「小さな習慣」なら脳が驚かない

 それでは、小さな習慣(※)はどうでしょう? 小さな習慣は、コンフォートゾーンの境界線のところまで歩いていき、一歩だけそこから外に出ること、と考えられます。

※小さな習慣…小さな習慣とは、あなたが新たな習慣にしたいと思っている行動を、もっともっと小さい形にしたものです。毎日100回の腕立て伏せが目標なら、毎日1回の腕立て伏せをする。毎日3000ワードの文章を書くことが目標なら、毎日50ワードを書く。

 そこはサークルの中ほど快適ではないのですが、それでも大きな違和感はありません。一歩後戻りすれば、すぐにコンフォートゾーンに戻れるとわかっているからです。

 最初の何回かは、すぐに中に戻ってしまうかもしれません。しかし、何度かサークルの外に踏み出しているうちにあなたの潜在意識は次第にそれに慣れ、サークルが広がっていきます(これが小さな習慣が本格的な習慣へと発展するプロセスです)。

「一目おかれる人」は小さな習慣を活用している

 こうすると、サークルの外に勢いよく飛び出していったときとは違い、あなたは境界線の位置を元に戻すことなく、どんどん広げていけます。これこそが小さな習慣の魔法です。

 私はあなたが最初の一歩を踏み出したあとに、境界線の外を探検したくなってほしいと思っていますが、たとえその気にならなくても、やがては最初の一歩を踏み出して新しい行動を試す経験を快適に感じるようになるはずです。

 それが、その行動をさらにスケールアップさせ、自分を成長させるための頑丈な基礎を築くことにつながります。

(本稿は、ロングセラー『小さな習慣』より一部を抜粋・編集したものです)