ダイエットや筋トレに何度挑戦しても、結局挫折してしまった…という経験をお持ちの方は少なくないだろう。だが、「自分はダメな人間だ」と落ち込む必要はない。
本稿では、ロングセラー『小さな習慣』より一部を抜粋・編集して、「ダイエットがうまくいかない人」にありがちな思い込みを解説する。(構成/根本隼)

「ダイエットがうまくいかない人」に共通する間違った思い込みとは?Photo:Adobe Stock

モチベーションに頼ってはいけない

 習慣にしたい何かの行動を始めるとき、モチベーションを上げる効果はあるのでしょうか? それについては、“ときには効果がある”という、なんともあいまいな答えを返すしかありません。

 ときにはやる気を奮い立たせることで運動をしたり、2000ワードの文章を書いたりもできるでしょうが、昼寝をしたり、テレビを見たり、ビールを飲んだりして終わってしまうかもしれません。

 これは大きな問題です。なぜなら……モチベーションに頼っても、習慣を身につけることはできないからです。

人間の感情は予測不能

 モチベーションが信頼できないのは、それが感情に基づいたものだからです。ずっと昔から、人間の感情は変わりやすく予測できないものでした。あらゆる要素が感情を左右します。

 狙い通りにモチベーションを上げるのは簡単ではありません(ほぼ不可能という場合もあります)。自分自身の経験を振り返ってみれば、思い当たるのではないでしょうか?

 疲れているとき、病気のとき、頭が痛いとき、何だか“不調”なとき、あるいはもっと楽しい何かをしたくてたまらないときに、モチベーションを上げるのはむずかしいはずです。

 モチベーションを使う方法がうまくいくのは、エネルギーがありあまっているとき、健康的な考え方をしているとき、ほかに大きな誘惑がないときにかぎります。

「ダイエットがうまくいかない人」の思い込みとは?

 行動するのにモチベーションが必要だと信じることほど、危険な習慣はありません。モチベーションを上げたいと思うこと自体は問題ではないのですが、それがないと何もできないと考えるのは問題です。

 何をするにもまずモチベーションという考えが、その人の深層心理に刻み込まれてしまうこともあります。しかし、感情と行動がつねに一致していなければならないというルールはありません。それは、がんじがらめで不満だらけのライフスタイルをつくりだすだけです。

(本稿は、ロングセラー『小さな習慣』より一部を抜粋・編集したものです)