ダイエットや筋トレ、資格の勉強などに何度挑戦しても、結局挫折してしまった…という経験をお持ちの方は少なくないだろう。だが、「自分はダメな人間だ」と落ち込む必要はない。
累計11万部超えのロングセラー『小さな習慣』(スティーヴン・ガイズ著、田口未和訳)で解説している「習慣づくりの必勝法」を実践すれば、自己肯定感を高めながら目標を無理なく達成できるようになる。
今回は、本書の内容を一部ピックアップしてご紹介する。(執筆・構成/根本隼)

面倒くさいことを「つい後回しにする人」に共通する残念な特徴とは?Photo:Adobe Stock

習慣づくりに挫折した経験がある人は多い

 筋トレやダイエット、語学・資格の勉強といった新しい習慣を身につけようと自分なりの目標を立てても、「行動に移せない」「つい後回しにしてしまう」「続けられない」といった理由で失敗を繰り返してきた方も多いのではないだろうか。

 忙しい日々を送るなか、新たなルーティンを日常に組み入れるのは決して簡単ではない。実際、ショップジャパンが2020年に実施した「習慣的な運動・筋トレに関する調査」によると、筋トレの習慣化に挫折した経験がある人の割合は約60%だった。

 また、オンライン英会話事業を展開するビジネスメイツ社の調査によると、社会人になってから英語学習に取り組んだ経験がある人のうち、87.4%が「挫折したことがある」と回答したという。

「つい後回しにする人」に共通する根本原因

 新しい習慣づくりに何度か挫折すると、なかなか次の一歩を踏み出しづらくなってしまう。

 しかし、「自分はダメな人間だ」とか「他の人より継続性がない」と思ってはいけない。やるべきことを「つい後回し」にしてまうのは、あなた自身のせいではなく、モチベーションが高くないとクリアできないような「目標設定のミス」が根本的な原因だからだ。

 では、どのような目標を立てれば、無理せず習慣が身につくのだろうか? その点を詳しく解説しているのが、アメリカで執筆活動をしているスティーヴン・ガイズ氏の著書で、累計11万部を超えるロングセラー『小さな習慣』だ。

「モチベーションが大事」は勘違い

 本書は、筋トレとは全く無縁だったガイズ氏自身が、「1日1回の腕立て伏せ」をきっかけとして見事に運動習慣を身につけた経験をベースに、必ず成功する習慣づくりのノウハウを記した1冊だ。

 ガイズ氏によると、新しい習慣を身につけようとする際に、多くの人が「モチベーションが大事」だと思い込みがち。しかし、モチベーションは感情に左右されるため自分でコントロールするのが難しく、習慣づけの基礎に据えるのは「水の上に家を建てるようなもの」だという。

 そのため、目標達成のためには、モチベーションが伴わないとこなせないような不確実なノルマではなく、ほんのわずかな意志さえあればクリアできる「本当にちょっとしたポジティブな行動=小さな習慣」を毎日の日課にするべきだと述べている。

ノルマを簡単にクリアできるのでポジティブになれる

 毎日100回の腕立て伏せが最終目標なら「1日1回の腕立て伏せ」、読書習慣を身につけたい人なら「本を1日に2ページ読む」、英語力アップを目指すなら「最低でも1日1つは英単語を覚える」などと、ごく気軽に続けられるのが「小さな習慣」だ。

 ハードルをここまで下げると、ノルマを容易にクリアできるので満足感を覚えやすく、毎日ポジティブな気持ちになれる。余裕があるときには腕立て伏せを10回、英単語なら5個暗記するなど、その日の調子に合わせていくらでも上積みすることができる。

 こうして始めた小さな習慣が高じて、やがて「本当の習慣」となり、大きな目標の達成を通じて自分の人生をガラッと変えることにつながるかもしれないのだ。

 次回以降は『小さな習慣』より一部を抜粋・編集して、本書のノウハウをご紹介する。