暗号資産(仮想通貨)は苦境にあえいでいる。サム・バンクマンフリード氏(30)は10億ドル(約1370億円)を投じ、この状況を打開しようとしている。仮想通貨取引所FTXトレーディングの最高経営責任者(CEO)である同氏は業界の「救世主」を自任し、このところ市場の修羅場を味わってきた仮想通貨投資家は彼の動きを注視している。今年に入って同氏は経営難のデジタル通貨レンディング企業1社を救済し、別の1社の安定化を試みた。カナダと日本では仮想通貨取引所を買収した。またスーパーモデルのジゼル・ブンチェンさんの相手役として雑誌の広告にも登場。最近の低迷を吹き飛ばし、主流投資家の間で仮想通貨熱が続くようにするためだ。