ロシア有数の富豪として知られるアレクセイ・モルダショフ氏は、欧米の制裁への対策として自身のビジネスのオーナーシップ再編を検討している。事情に詳しい関係者らが明らかにした。鉄鋼事業で財を成した同氏はロシアのウクライナ侵攻後、米国、欧州連合(EU)および英国による制裁の対象となったが、所有資産への規制解除や制裁の制限下にある一部のビジネスに関し長期的オーナーシップを維持する方法についてアドバイザーと模索しているという。今回のケースはまだ始まったばかりだが、制裁を受けているロシアの新興財閥(オリガルヒ)が制裁の影響軽減に向け欧米政府当局者らと合意を結ぼうとしている事例と言える。事情に詳しい関係者らによれば、制裁緩和には米政府当局者の承認が必要だが、モルダショフ氏は現時点でまだ具体的計画を提出していない。同氏の弁護士らはさまざまな仲介者と接触し、米政府当局者らに提出する複数のシナリオに関してアドバイスを受けているという。