2026年2月24日、衆議院本会議で、中道改革連合の小川淳也代表の質問に答える高市早苗首相 Photo:JIJI
強力な国家指導者を家産官僚が支えるのが、国際政治のトレンド。衆院選に自民党が圧勝したことで、高市首相と官邸官僚の間にも、近代官僚制とは異質の王様と家来的な関係が生まれるのは、自然な流れだと佐藤氏は言います。今後、高市政権を制約する二つの要素とは――。(作家・元外務省主任分析官 佐藤 優、構成/石井謙一郎)
事実上「日本初の大統領選挙」だった
小泉、安倍時代は内側から制約があった
第2次高市早苗内閣が発足しました。
「高市早苗が内閣総理大臣でよいのかどうかを、国民の皆さまに決めていただく」
首相のこの宣言の下に実施された先の総選挙は、事実上、日本初の大統領選挙だったといえます。公約も争点も不明確なまま圧勝した高市首相に、白紙委任状を与える形になったのです。
自民党が獲得した316議席は、結党以来最多。小泉純一郎首相と安倍晋三首相にも300近い議席を得た時期がありますが、大統領型の統治はかないませんでした。連立与党だった公明党と、自民党内の派閥のバランスに配慮する必要があったためです。
それに対して現在は、麻生派を除く自民党の派閥が解消されて機能しなくなったのに加え、連立の相手が公明党から日本維新の会へと替わり、首相を内側から縛る制約条件がなくなりました。これは大きな違いです。
首相の機能が大統領的に変容して権力が集中するのに伴い、行政権(政府)が立法権(国会)と司法権(裁判所)に対して圧倒的な優位となります。従って、国会で予算案を審議する時間が短くなるのは、必然でした。行政権が迅速に機能することが国家と国民にとって最善であると、高市首相と周辺の政治エリート(閣僚、国会議員、官僚)が確信しているからです。







