ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「ベリーズってどんな国?」2分で学ぶ国際社会中央アメリカ

ベリーズってどんな国?

 ベリーズは、中央アメリカ北東部、ユカタン半島の付け根に位置する国です。メキシコ、グアテマラと国境を接し、国土は大陸部と海岸線に沿った島々からなっています。

 カリブ海に面しており、これがベリーズの最大の観光資源です。オーストラリアのグレートバリアリーフに次ぐ世界第2の規模を誇る大サンゴ礁があり、世界遺産にも登録されています。

 この美しい自然を求めて、アメリカなどから多くの観光客が訪れます。過度な観光開発により一時期危機遺産リストに加えられましたが、開発許可の厳格化等によって現在はリストから外れています。

 また、この国の魅力は海だけではありません。内陸部の密林の中には、20以上のマヤ文明の遺跡が眠っています。マヤ文明は紀元前2000年頃から16世紀まで続き、その間ベリーズがマヤ文化の中心になった時期もあります。

 アメリカ人がリゾート地としてこの国を好む理由の一つは、英語が通じるからです。ベリーズは、1981年まではイギリスの植民地でした。独立を果たした今でもイギリス連邦構成国で、エリザベス女王が国家元首です。

 砂糖やグレープフルーツ、高級な木材のマホガニー、そして海からはロブスターなどの産出はありますが、規模はそれほど大きくありません。

 経済的には豊かな国ではありませんが、政治が安定しており、治安も比較的良いといわれています。

「ベリーズってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ベリーズ

面積:2.3万㎢ 首都:ベルモパン
人口:40.6万 通貨:ベリーズ・ドル
言語:英語(公用語)、スペイン語、クレオール語(英語系)など
宗教:カトリック40.1%、プロテスタント31.5%
隣接:メキシコ、グアテマラ

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)