ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「タンザニアってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

タンザニアってどんな国?

 タンザニアは、東アフリカに位置する国で、ウガンダケニア、モザンビークなど8カ国と国境を接します。

 大陸部のタンガニーカとインド洋に浮かぶザンジバルが合併してできた国です。

大自然が広がるタンガーニカ

 大陸部のタンガニーカは、大自然で知られています。

  世界遺産でもあるセレンゲティ国立公園やキリマンジャロ国立公園などはディズニー映画「ライオン・キング」の舞台としても有名です。

 北部のンゴロンゴロ保護区内のオルドバイ渓谷は人類発祥の地とされています。

アラブ文化とヨーロッパ文化が融合するザンジバル

 一方、インド洋に浮かぶザンジバルはその特異な歴史が特徴です。ザンジバル島の旧市街地ストーンタウンは世界文化遺産に登録されています。

 ザンジバルは、古くからアラブ商人によるモンスーンを利用したインド洋貿易の拠点でしたが、大航海時代にポルトガルの植民地に、その後イギリスの植民地となりました。

 アラブ文化とヨーロッパ文化が融合した独特の景観が見られます。ただ、美しい景観の中には、「負の遺産」ともいわれる「旧奴隷市場」もあることを忘れてはいけません。

「タンザニアってどんな国?」2分で学ぶ国際社会ストーンタウン Photo: Adobe Stock

 タンザニアは比較的安定した国といわれています。それは、特定の部族による政権の独占が見られないことや複数政党制が根づいていること、そしてスワヒリ語による初等教育が普及していることなどが理由と考えられています。

タンザニア連合共和国

面積:94.7万㎢ 首都:ダルエスサラーム
人口:6209.3万 通貨:タンザニア・シリング

言語:スワヒリ語(国語・公用語)、英語(公用語)、バンツー系諸語
宗教:キリスト教63.1%、イスラーム34.1%
隣接:ウガンダケニア、モザンビーク、マラウイ、ザンビア、コンゴ民主共和国、ブルンジ、ルワンダ

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)