ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「ケニアってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ケニアってどんな国?

 ケニアは東アフリカに位置する赤道直下の高原の国です。国土のほぼ中央にキリニャガ(ケニア)山がそびえています。

 国土の東はインド洋に面し、北部にエチオピア、南部にタンザニアなど5カ国と隣接します。

 モンバサ港は東アフリカ最大の港湾で、東アフリカ諸国の玄関の役割も担っています。

 首都ナイロビは、イギリス植民地時代に建設された都市で、国連環境計画や国連人間居住計画の本部が立地するなど、アフリカ有数の国際都市になっています。

大自然の保護に熱心な国

 『野生のエルザ』などケニアの大自然を舞台にした文学作品も多く、私たちが身近に感じられる国の一つです。

 大自然の保護にも熱心で、国内に約60カ所の国立公園、国立保護区、動物保護区があり、これらは重要な観光資源にもなっています。

 中心的な産業は農業で、主要な農産物は茶、コーヒーですが、近年は花卉栽培が盛んです。いずれも赤道直下でありながら、高原であるという自然環境を生かして生産されています。とくに茶は世界第3位の生産量を誇り、世界最大の輸出国です(2019年)

 2004年にノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイはこの国の出身で、「MOTTAINAI」キャンペーンを国際的に展開して環境保全活動の意識啓発に大きな功績を残しました。

ケニア共和国

面積:58.0万㎢ 首都:ナイロビ

人口:5468.5万 通貨:ケニア・シリング

言語:スワヒリ語(公用語)、英語(公用語)、キクユ語など

宗教:キリスト教85.5%、イスラーム10.9%

隣接:エチオピアソマリア、タンザニア、ウガンダ南スーダン

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)