まず、やってはいけないのは、自分からあっさりと「一身上の都合により退職……」といった自己都合退社の辞表を書いてしまうことだ。今日まで働いてきた組織で自分が「不要だ」と言われているという現実と顔を付き合わせる状況は精神的に辛いが、生活を守るためにはひと頑張りしなければならない。

 まず、「無条件で自己都合退社する意思はない」ことを会社側にはっきり告げるべきだろう。しかし同時に、その会社に残る選択肢は現実的でないことの覚悟も必要だ。目標を、転職と、そのために有利な条件の確保と、経済的により有利な退職の実現に、切り替えるべきだろう。

 会社側が、希望退職者に対する優遇制度を提示している場合は、制度の内容を検討すべきだが、すぐに受け入れるのは止めた方がいい。

 もう少し良い条件を引き出せる可能性があるし、「会社都合」でなく「自己都合」で辞めた場合には失業保険の条件が悪い。

 検討、あるいは交渉に値するのは、転職先を見つけるための異動の先延ばしだろう。それまでどのような仕事をしていたのかによるが、多くの仕事で「今やっている仕事」を探す方がスムーズに職探しができ、条件もよりよいものを獲得しやすい場合が多い。

転職できれば辞める。そうでなければ
「追い出し部屋」行きを覚悟する

 いい転職先が見つからなかったら、異動を受け入れると言って、異動を1~3ヵ月先に延ばしてもらえないかを交渉してみる手がある。もともと戦力外なのだし、それで穏便に辞めてくれるなら会社側も助かるはずなので、この条件を受け入れてくれる可能性はある。

 ただしこの際にも、辞表を書いて渡してはいけない。条件はあくまでも、「転職できれば辞める。そうでなければ『追い出し部屋』行きを覚悟する」というものであるべきだ。

 そして、引き延ばしが成功してもしなくても、「自力で」最大限に努力して、転職先を探す努力をしなければならない。