米国株が夏場に上昇し、この数日は下げる中、そうした動きに拍車を掛けたおなじみの存在がある。オプション市場だ。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は26日、経済成長を犠牲にしてでもインフレと闘い続けると宣言し、投資家を驚かせた。S&P500種指数は1日としては約2カ月ぶりの大幅な下げを記録した。もっとも、夏の上昇相場はその1週間前から失速し始めていた。それはちょうど、2兆ドル(約278兆円)超のオプションが満期を迎えた8月19日と重なる。そのため市場はボラティリティー(変動率)が急上昇しやすくなっており、オプション市場の力学が働けばそうした状態はさらに増幅されかねないと、ストラテジストらは言う。