ロシアのソブリン債(国債や政府機関債など)が今夏に復活を遂げた。投資銀行の間でロシア債券取引への警戒が薄れているほか、ロシアに制裁を発動している西側諸国以外の投資家が買いを入れているためだ。債券価格の回復は、ロシアが世界の一部ではなお投資家の信頼を維持するとともに、ウクライナ侵攻下でも経済運営を無難にこなしていることを物語っている。クレジット分析提供のアドバンテージ・データによると、6月には額面1ドル当たり8セントまで売り込まれていた一部のロシア国債は、今月に入り50セントまで買われた。直近では45セント程度で取引されている。足元の復調は、ロシアへのエクスポージャーを抱えている資産運用担当者にとっては追い風だ。巨額の損失を計上することなく、売り抜けられるかもしれない。西側の投資家は総じて、侵攻開始後にロシア債の持ち高を手じまったが、保有し続けている投資家もいる。
ロシア国債が復活、戦時下も投資妙味の訳は?
有料会員限定
あなたにおすすめ